失策のマイナ保険証(ブログ3557)
- 2024年04月28日
河野太郎デジタル担当相が、自民党所属の議員に対し、「マイナ保険証で受付できない医療機関があったら報告して欲しい。」とする文書を送付し、国会議員のみならず、地方議員まで動員して医療機関の状況を密告させようとしています。
しかし、地方議員といえども、1件1件の医療機関を監視する事には事実上無理がありますから、さしたる効果も上がらないことだろうと思います。
当然、厚労省もその事は織り込み済みのようで、医療機関が自ら利用者数を増やすことに専念する集中期間を来月から7月までに設定、この間に利用者を増やした医療機関に最大20万円の一時金の支給を打ち出しました。
これまで個人へは、マイナカードの作成で5,000円、健康保険証への紐付けで7,500円、公的支給の口座紐付けで7,500円の合計2万円を奨励金として支給、その他にCM等で総額約2兆円の予算が使われました。
その他に医療期間へのカードリーダー設置費用の補助なども含めると、一体どれくらいの予算がつぎ込まれたのでしょうか。そして、そこまでやっても3月時点でのマイナ保険証の利用率は5.47%と低迷が続いています。
つまりは、河野太郎氏がいくら笛を吹いても、ほぼ誰も踊らないということですから、そのことが気に食わないのでしょう。そこには河野太郎氏のメンツしか無く、そのメンツを保つためにはなりふり構わないというところでしょうか。
政府は、現行の健康保険証を今年の12月2日に廃止をする事にしています。
紙の保険証が廃止となっても、最長1年間は現行の保険証が使用出来ますが、その後は「資格確認証」が発効されることになります。その資格確認証について、岸田氏は申請制度ではなくマイナ保険証を持っていない方全員に送付するとし、更新期間も5年を超えない期間という考え方を示していますから、今の健康保険証発行と何が違うのでしょうか。
どのような理由でマイナ保険証に躍起になっているのか訳が分かりません。
資格確認証の場合、医療費を割高に設定することも検討しているとのことですが、高齢者や障害のある方などの個人ナンバーの管理や、顔認証も必要なマイナカードを作成できない方に医療費でペナルティーを科すことは、非常に大きな問題を内包しています。
また、日本は皆保険制度を導入しておりますから、マイナ保険証を持っていないことを理由に保険診療を受ける事が出来ないということはあり得ませんし、そのような事になれば、当然訴訟問題が惹起され、憲法にも抵触することになります。
マイナ保険証が普及しない最大の理由は、国民にそのメリットが感じられ無いからに他なりません。併せて、個人の情報が政府によって管理される事への忌避感です。
国民は個人情報の管理について、政府を全く信用しておりません。
つまり、政府への信頼が無い中ではマイナ保険証の利用は増えないでしょうし、これ以上、個人口座への紐付けも頭打ち。そこで、次の一手として運転免許証をマイナカードに一体化しようと画策しています。
さてさて、これもいかがなものかと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。