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子どもの幸福

  • 2022年05月05日

 今日は「子どもの日」です。

 祝日法によれば、子どもの日は「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを主旨とするとなっています。

 江戸時代から「端午の節句」と呼ばれて、男子の健やかな成長を祈願する風習があり、立身出世を例えた鯉の滝登りから「鯉のぼり」を、男子の武勇や身体を守る願いを「鎧・兜」に託し、新芽が出るまで古い葉が落ちない柏の葉を「家系が絶えない」と縁起を担いで柏の葉でくるんだ「柏餅」を食べる習慣が受け継がれていますが、今は男女の区別無く前述のように「子どもに日」としています。

 東京新聞には、東京大学大学院山口慎太郎教授がの記事が配信されており、その中で、OECD各国の子ども・子育てに対する公的支出(17年度版)割合が掲載されていました。これまでも何かと引き合いに出されている数字ですが改めて掲載します。

         仏   スウェーデン  英国   独   OECD平均  日本  韓国
GDP比(%) 3.6  3.4  3.2  3.1  2.3  1.79 1.3
合計特殊出生率 1.8  1.7  1.6  1.5       1.36 0.9

 

 山口教授は、「子ども予算は少なくても3%必要、子ども政策は消費では無く投資であり、児童手当のような現金支給では無く、保育所整備や幼児教育の充実・子育て環境の整備が必要であり、保育所では言語発達を促し、多動性や攻撃性が和らぎ、母親の社会進出と収入の安定に繋がり、子育てからの開放で精神的に安定し良好な親子関係を築くことが出来るという効果が期待できる」ととしています。

 子ども予算の上位フランスで比較すると日本の倍の予算を投入しており、その他の先進国の多くはGDPの3%以上を確保、その結果、合計特殊出生率も高水準となっています。

 日本の子ども予算は1.79%で、合計特殊出生率も1.36倍となっていますが、数字は17年度のもので、厚労省が発表した20年度の合計特殊出生率は更に下がり1.34倍となってしまいました。

 さて、日本の子どもは祝日法にあるように、子どもの人格が重んじられ、幸福がはかられているのでしょうか。

 「子どもの貧困」は7人に1人となり、家族の介護のために自分の時間を犠牲にしなければならない「ヤングケアラー」は小学生で15人に1人となっています。

 岸田氏は新たに「子ども庁」設置を公約にしましたが、いつの間にか「子ども・家庭庁」にとなってしまい、子どもへの重点政策が、「家・家族」に包含されてしまう気配が漂っています。

 そして、今、防衛費のGDP2%が自民党を中心に声高に主張されています。

 子どもは未来を支えるかけがえのない財産です。その子ども達の幸福度が低ければ、子どもを社会全体で支えるという政治の責任を果たしているとは言えません。

 国連児童基金(ユニセフ)が一昨年調査した子どもの精神的幸福度では、先進・新興国38ヶ国中、日本は37位となっています。

 私たちは、こどもの日だけでは無く、子どもの幸福がはかられるよう常に意識して行かなければなりません。


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