子どもの貧困
- 2015年05月05日
私は、男の子二人を授かり、無事に変に曲がってしまうこともなく育ち、それぞれ大学を卒業し、就職、長男は結婚し、次男は神奈川県に住んでいます。
長男には3人の子ども、私にとって孫がいます。
3人の孫達も、小学校6年生、4年生、そして、1歳8ヶ月で、健やかに育っています。
しかし、日本全国を見ると、18歳以下の子どもがいる世帯の総体的貧困率は約16.6%、特に一人親世帯では約55%となっているという統計が新聞報道に掲載されました。
子どもの貧困率は、1985年代から徐々に増加してきたということは、国内景気が大きく反映してきているというに繋がります。
バブル景気が始まり、そして行き詰まり、バブル崩壊へと進んだ80年代後半から90年代、企業は、自社の利益の減少に歯止めをかけるためにあらゆる手を尽くし、永年続いてきた日本型の終身雇用が崩れ、雇用の抑制いわゆる新規採用抑制が始まりした。
時は、第二次ベビーブーム世代が就職する時期に重なり、競争が激化し、就職氷河期世代の雇用が不安定となり、セーフティーネットである社会保障が不十分なために困窮に陥り、2000年代初頭には、大手企業も「採用ゼロ」と言うことも珍しくなく、「リストラ」という大規模解雇を行ったため、有効求人倍率は0.5倍を割り込み大きな社会問題となりました。
大学を卒業しても就職先が無く、企業は新人を育てると言う余裕も無くなり、即戦力を求め、そして、正社員を極力少なくして、アウトソーシング(外部請負)を実施、人材派遣業者が増え、そして今では、非正規の派遣、臨時、パート職員が約2,000万人にも及び、その多くは平均年収200万円以下のワーキングプアとなっています。
政府は、1昨年、「子どもの貧困対策推進法」を策定しましたが、その中身は実態に合わないものが散見されます。
子どもの貧困の解決には、親の貧困の解消、すなわち正規職員化等の雇用制度の改正の他、一人親などの子育て環境の整備、児童扶養手当や給付型奨学金の導入など、子どもの政策に財政を支出することが必要です。
この国は、子どもにかける予算がOECD諸国の中でも低位に属しています。
子どもは未来の宝と言われます。
政府はそこにこそ投資すべきではないでしょうか。