子ども給付金とクーポン
- 2021年11月27日
補正予算の総額が明らかになりました。
35兆9,895億円、過去最大約36兆円の超大型補正予算です。
21年度当初予算が約106兆6,000億円ですから、この補正予算を含めるとそれより33.4%も多い約142兆6,000億円となってしまいました。
ついに国家予算が100兆円を越えてしまったのは19年度の約101兆4,500億円で、この年の決算が約113兆7,400億円、20年度の当初予算が約106兆6,000億円、決算はまだ判りませんが、この年もコロナで約32兆円の大規模な補正予算を組みました。コロナ禍があったとしても当初予算と最終決算額に3割以上も差異があるというのは、正常な財政計画とは言えないと思います。
さて、今回の補正予算の大きな理由の一つに生活困窮者向けの給付金があります。
その代表的なものが18歳以下の子ども給付金で一人当たり10万円となっています。
所得制限の話はこの場ではしませんが、それ以外にも疑問があるようです。
この子ども給付金は、まず15歳以下の子ども達には申請が必要なく、年内に5万円が振り込まれますが、16歳以上18歳までの子ども達は申請が必要で、5万円が振り込まれるのは年明け以降となってしまいます。高校世代は原則的に児童手当支給対象となっていないために口座を登録する必要があることから申請が必要になるとのこと。
迅速に対応する必要がある給付金ですが、中学生以下と高校生で困窮度に差があるわけではないことから、今から高校生の親の所得と振込口座を事前に各自治体が把握するための調査も必要だと思います。
また、残りの5万円はクーポンの形で来春を目処に配布するとのことですが、それが迅速化とはほど遠いことを政府は認識しているのでしょうか。
また、新聞赤旗では、財務省主計局の担当者が「クーポン支給が来年度(4月以降)にずれ込むことも否定しない」ことが掲載されていました。
クーポンで配布するには準備に時間がかかるというもので、さらにこれらの事務費は、「中学生以下の5万円給付に約212億円、18歳までの給付に100億円弱、クーポンには1,000億円が必要だ」ということを明らかにしました。
仮に10万円を現金で支給した場合、事務費は全体で約300億円とも説明。
クーポン券支給には、券の印刷や各自治体への必要枚数の仕分け、送付などに巨額の事務費が費やされます。
さて、この1,000億円の事務委託を受けるのは、コロナ禍で実施された事業継続支援金や雇用調整給付金の事務と同様に、またまた自民党と懇意の企業なのでしょうか。
いや、そのためのクーポン券だったのかと少しばかり疑いたくなります。