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学芸会からの脱皮

  • 2008年12月20日

先日、久しぶりにテレビ番組の「サンデープロジェクト」を見ました。
その中で、地方議会のあり方についての特集があり、北海道議会本会議のやり取りの様子が取り上げられました。
見た方も多いと思われますが、本会議の質問と答弁について事前に意見交換という付け合わせが行われており、本会議当日は、質問者そして知事はあらかじめ出来上がった原稿を読み上げているだけで、できあがったシナリオどおりのやり取りは、以前から指摘されていた「学芸会」そのものであるという内容でした。
その他に、退屈そうに扇子をあおいでいる議員、前の列の議員と身を乗り出して私語を交わしている議員(函館市選出自民党某議員)、海外旅行のパンフレットを眺めている議員などがテレビ画面に現れ、どうしようもない議会という印象を植え付けました。
質問の付け合わせは事実であり、再質問、再々質問まで綿密に行われます。
さらに、予算・決算特別委員会や常任・特別各委員会においても同様の付け合わせが行われます。
私も、最初は当惑をしました。
私がいた頃の函館市議会では(今はどうか判りません)、ルールに沿って本会議の質問が通告されると市理事者(主に課長)が質問の主旨を確認に来て(取材?)、その後、答弁しようとする内容を報告に来ます。そこでお互いの意見交換を行い、今晩を迎えます。
本番になると本質問、再質問位までは答弁書の通り答弁となりますが、再々質問以降は質問者も答弁者もノー原稿でやり取りを行いますから、楽しく(?)なるのはこのあたりからで、持ち時間いっぱいお互いの生の議論を行います。
一方、予算・決算特別委員会は質問項目のみを提出し、常任・特別各委員会は質問項目も提出せず最初から生の議論を展開します。
非常に緊迫感が有り、議論をしていると実感ができます。
この違いは、道議会と市議会の運営ルールの違いもあると思います。
道議会は質問回数が本質問、再質問、再々質問の3回だけとなっていますので、本質問で答弁が食い違うと、再質問で糾し、再々質問は言いっぱなしで終わる事が多く、前向きな回答を引き出すことが難しい運営だと思います。
市議会は持ち時間内であれば何回でも質問ができることから、質問を掘り下げることが可能となり、議論が深まります。
このルールの違いからか、道議会は事前に質問の本旨を相手に伝えて適切に答弁を引き出す必要があり、ここで食い違うと再質問は同じ内容の質問を行わなければならず、再々質問では所見や指摘しか出来なくなります。
議員からいかに質問を聞き出し(各部局の総務担当主幹が議会対策を行う)、理事者サイドに都合の良い答弁で了解を得ること。また、意見交換の中であわよくば質問を取り消させることが出来るかが、理事者としての評価につながるようです。
道議会の各委員会についても、部長や担当課長が出席しているのですから、その場で質問されても的確に答えることが出来ると思います。
また、その方が部長以下管理職も鍛えられると思います。
来年の2月から行われる第1回定例会からは、道議会が少し変わったと思われるように、期の若い私たちが声を出していかなければなりません。
そうでなければ、道議会はいつまでたっても学芸会という汚名を着たまま全国から笑われることでしょうし、道民からも見放されることになるでしょう。


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