安心保障(ブログ3224)
- 2023年05月21日
平均寿命が50歳だった終戦直後(戦争で若い命を大量に失った)から75年を経て、今は人生100年時代と呼ばれるようになりました。
2021年の平均寿命は男性が81.74歳、女性が87.57歳、となり、寿命は年々、着実に伸びています。
最後のテープを切るまでの距離が長くなれば、老後が更に不安となり、切り詰めた倹しい生活で、老後を楽しむというゆとりさえも遠いものとなってしまいます。
「次元の違う子育て支援」を社会保険などでまかなう事が政府によって声高に叫ばれています。孫達のために仕方が無いかと考えつつも、現実的に年金額が下げられ、健康保険の窓口負担や介護保険の自己負担が高齢者の肩にずっしりとのしかかります。
先のブログで、「PRAN75」という映画のことを掲載しました。
その内容は簡単に言うと、<近未来のフィクションですが、政府が新たな法律を成立させます。この法律は75歳になったら自らが生か死かを選択する。死を選択すれば政府による穏やかな安楽死を、生を選択すれば、全ては自己責任で政府は何もしてくれない。自治体は新たな担当課を設置して75歳に到達した住民に選択を迫ります。その担当になった若い職員、死を選んだ方にコールセンターが話し相手になる。それを職業とする若いオペレーターの苦悩等を問題提起として制作された映画です。>
一方、作家で元経企庁長官だった、故堺屋太一氏が<各自が85歳までに資金を使い切り、その後は国が完全保障する制度>を提起したことが有ると「山陰デジタル新報」が伝えています。
高齢者世帯に限定するとその預金額は約626兆円だそうです。
堺屋氏が提起した制度が実現すれば、今の平均寿命までにこの預金を全て使い切ることが出来ますし、85歳を過ぎれば物欲も無くなります。
当然、前期高齢者の方も後期高齢者の域に入った方も、元気なうちに人生を積極的に楽しむ事になり、消費が進み経済の活性化にも繋がるでしょう。その結果、税収も上向けば所得の少ない方々への保障も厚くする事ができる様な気がします。
「PRAN75」とは全く違う人生100年時代が見えてくるのでは無いかと思います。