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安易なライドシェアー(ブログ3425)

  • 2023年12月15日

 小泉進次郎氏が超党派の勉強会を開き、「ライドシェアー」を進めようとしています。

 ご存じのように2種免許を取得しておらず、更にタクシー運転の許可を受けていない場合は「白タク」行為と見なされ犯罪行為となります。

 コロナ禍で夜の街に灯りがなくなったことから、タクシーの需要が大幅に減少、さらに、都道府県間や市町村間の移動が制限されたことから、旅行者も激減、必然的に移動手段であるタクシーやバスの運転手はその職を失うことになってしまいました。

 しかし、政府はその事態について何の手段も持ち合わせず、先を見据えた問題意識もありませんでした。

 一方、新しいワクチンや医療機関の必死の努力で、新型コロナウィルスは減少、今年の5月からは感染症の2類から5類へと移行し、人流も徐々に戻り、今では海外旅行も制限がなくなりましたし、円安も手伝ってコロナ禍以前の観光客数に戻り、また宴会なども復活し、賑やかな社会に戻りつつありますが、ただ一つ、移動手段を担っていたタクシー・バスの運転手が復帰せず、今や空前のドライバー不足という現状です。さらに、ドライバーの賃金の安さが、復帰への足かせにもなっています。

 政府が行うべきは、コロナ禍において何も手を打ってこなかった事への反省と、労働に見合う賃金のアップに政治として取り組むことではないでしょうか。

 今の賃金・労働条件に目をつむり、付け焼き刃のように「白タク」を増やす事になれば、何より求められる乗客の安全な移動が蔑ろにされることになります。

 憲法には「移動の権利」が認められていますが、それは、安心・安全な上に成り立ちますし、2種免許という資格には、運転技術だけではなく「人工呼吸」や「心臓マッサージ」の取得の他にも、それぞれのタクシー会社では「障害のある方への接遇」

 妊産婦の緊急事態への対応」の研修、観光や土地の情報と知識、そして、自動車の始業点検、アルコールチェックなど、つねに安心・安全への配慮がなされ、サービスを重視し、仕事にプライドを持つ方々が運転をしています。

 単に、移動だけ何とかすればと良いというような行政執行は、政府も、地方自治体も現に慎むべきであり、なおそれでも、ライドシェアーを行おうとするならば、安全運行や乗車時の事故・事件に対しても、行政が深く関わると言う覚悟が不可欠です。

 その覚悟を持ってライドシェアーを行うならば、世界各国のように事故や事件・犯罪が増えた事による「ライドシェアー禁止」という措置を執ることもないでしょう。

 先進各国の例を十分に理解し、何より、タクシー会社もタクシードライバーもそして乗客も満足するシステムでなければなりません。その解決策が政府にはあるのでしょうか。

 私たちは、乗車した瞬間から「命を預ける」事になるのですから。


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