官邸記者会見
- 2021年05月29日
緊急事態宣言の再延長を決定した時の記者会見でも、全く記者の質問に答えず、噛み合わない答弁を繰り返している菅氏。
こんな場面を一体何度見たでしょうか。
質問も1人1回という官邸のルールに押し切られたままで、緊張感のあるやりとりは全くありません。
記者会見の場は、取材等で感じた疑問や国民が聞きたいと思っている説明を各報道機関の記者たちが最高責任者である首相に求める機会であり、首相は、この場で国民の疑問を正面から受け止め、きめ細かな説明を尽くし、理解を得る場であるはずです。
しかし、何を聞いても原稿を読み上げるだけ、それが質問と噛み合わないことであっても意に介せず、次の予定が有ると言い訳をして早々と切り上げる姿を見るたびに空しくなってしまいます。
政治家は、自らの考えを言葉にして有権者に理解をもとめ、支持を得るものです。
しかし、菅氏を見ていると科学的根拠も無く、その決断が何を導くのか、また、そのためにどんな手立てを講じるのか、その結果がどうなるのか、まったく語りません。
そして、小野日子内閣報道官は、菅氏に火の粉がかからないようにだけを考慮し、会見を差配しています。
また、そこにいる当事者の記者たちの中にも忖度記者がいて、緊急事態宣言とは全く関係ない質問をする輩もいます。
その輩は、「他社の厳しい質問を自分が打ち切った」と、お気に入りにでもなりたいのでしょうか。そして、その記者を擁する新聞社は政権の「いい子」になりたいのでしょうか。
独裁者の国の記者会見を見ているようで、民主国家の記者会見とは到底思えません。
ジャーナリストの1員であると自負しているであろう記者の皆さんは、官邸と記者クラブ(幹事社?)が取り決めたというこのルールを当事者として打ち破らなければ、国民は皆さんをジャーナリストとは認めなくなるでしょう。
記者の皆さんには国民に真実の情報を伝えるための努力を期待します。