宿泊税、自治体の反乱(ブログ3340)
- 2023年09月21日
北海道が独自の宿泊税を導入するため、有識者会議に検討のたたき台を提出しましたが、その内容は、これまでコロナ前に検討されていた一律100円でも無く、つい最近まで話していた一律200円でもありませんでした。
新たな内容は宿泊料金に応じて100円から500円までの5段階に設定。高級なホテルや旅館に宿泊するいわゆる富裕層は担税能力があるという理由をもって、高い税率で徴収する考えです。
しかし、今後宿泊税を導入しようと検討している各地の観光自治体は、道から事前の説明も無く、さらに有識者会議ではオブザーバー参加で発言の機会を与えられないまま、一方的に道が宿泊税の内容が決められることに難色を示しています。
それは当然のことであり、全道全ての宿泊に課税をしようとする道は、オブ参加した自治体を中心にきめの細やかな話し合いの場を持つべきです。
その手続きを省くようなやり方に、各自治体は憤りを隠しません。
その一つ小樽市はいち早く、今回の市議会において一律200円の宿泊税を導入する考えを明らかにしました。
道と違う税額設定について、「宿泊料金によって宿泊者が受ける行政サービスに程度の差は無い」とした上で、宿泊税の一定額を分け合う福岡県と福岡市の方式(200円の宿泊税のうち50円が県、150円が市)の検討をする事を道に求めました。その理由には説得力があります。
広域自治体の道は、宿泊税の導入に関わる手続きなど少なくとも1年以上の時間がかかるでしょうが、基礎自治体は、小回りが効き判断を速く行うことが出来ます。
今後も基礎自治体は、それぞれの意見を道にぶつけるべきです。
道は、広域自治体として基礎自治体の事務局的な立場であるべきです。
その道が、基礎自治体の考えを無視して勝手に決めてしまうなど、上から目線そのものではないでしょうか。金に目がくらんだのでは無いかと疑いたくなります。
また、基礎自治体は、スポーツ合宿などの誘致にも力を注いでいますから、そのような合宿は免税の対象としてたくさんのスポーツ団体を招致する事も独自にできます。道が「基本的に免税はしない」という考え方に、楔を打つこともお互いの自治体が連携をして取り組んでほしいものと思います。
宿泊税を検討している各自治体は、早く考え方を明らかにし、道にぶつけるべきでしょう。そうでなければ、道のペースだけで宿泊税が決まってしまいます。