宿泊税の定率制(ブログ3817)
- 2025年01月27日
スキーリゾート地を有する留寿都町は、宿泊税の導入に際して、これで定額制で協議を進めていましたが、倶知安町の定率制について、道が、昨年12月に事実上認めたことから、留寿都町では、より税収増に繋がる定率制に切り替える方向で検討し直すことになりました。
当然と言えば、当然でしょう。私も道の宿泊税について、導入する場合は定率制にすべきだと以前から主張していましたし、ブログでもその考えを記載してきました。
倶知安町は、2019年に道内で初めて宿泊税を導入しましたが、その際、宿泊料金に対して2%の定率を課すことにしていました。
道は、同じく宿泊税を導入するに当たって定額制とし、2万円未満は100円、2万円以上5万円未満は200円、5万円以上は500円として条例を可決しました。
仮に1.5万円の宿泊料金の場合は、倶知安町では1.5万円×0.02%=300円が宿泊税となりますが、道の場合同じく1.5万円の場合は100円の宿泊税です。
今後は、インバウンドも含め国内旅行客も高級志向に向かっていけば、定額制は定率制に差を付けられてしまいます。
3万円の宿泊料金の場合、倶知安町は600円、道は200円、5万円の宿泊料金の場合倶知安町では1,000円、道は500円、10万円の宿泊料金の場合は、倶知安町で2,000円、道は500円で、宿泊料金が高くなればなるほど、税収に差が出てきます。
つまり、定率制にすると、宿泊料金が値上がりすれば自動的に宿泊税も引き上げられますが、定額制の場合は余り変化が無く税収は低額、また徴収額を増やしたい場合は条例改正という手続きを取らなければなりません。税収を目的とすれば、どちらが有利かお分かりのことと思います。
以前ブログで、これまで道の定額制に合わせて検討をしていた自治体は、今後、倶知安町の様に定率制を導入するだろうと指摘していましたが、今回、留寿都町が追随しました。
今後も、このように定率制を導入する自治体が更に増えていくことになると予測します。
道は、施行後5年で条例を見直す検討を行うことにしていますから、その時に、道も条例を見直して定率制を導入する可能性が高くなってくるだろうと思います。
もし、定率制を導入した場合、この度の道の定額制は合理的では無かったことを認める事になります。つまり、議会で私が主張していた宿泊税の定率制、道が倶知安町とバトルに及んだ課税方法は、結局、道の負けと言うことになります。この時に鈴木知事がまだ知事であった場合は、どのような理由を付けて定率制を導入するのか、今から楽しみです。