宿泊税は誰のため(ブログ3388)
- 2023年11月08日
札幌市が、宿泊税についての考え方を提示しました。
1泊1万円から5万円未満は200円、5万円以上は500円にしたいとのこと。
北海道は既に、1万円未満100円、1万円から5万円未満を200円、5万円以上を500円という考え方を有識者会議に示し、協議を行うことになりますが、有識者会議は、ほぼほぼ推進派で固められていますから、道の希望通りに答申するでしょう。
現在、札幌市でビジネスホテルに宿泊するにしても1万円以下というのは市の中心部から離れた場所にあるホテル以外なかなか見当たりません。
そうなれば当然、中心部までの交通費がかかりますから、最初から1万円以上となる都心部に宿泊することになるでしょう。
中心的な価格帯は、1万4・5千円から2万数千円でしょうから、400円の宿泊税を徴収される事になります。
札幌市が考え方を示したことから、道内で宿泊税の導入を検討している小樽市、函館市、旭川市なども横並びの考え方を示すことになる可能性が高いと思います。
400円が高いのかどうかは、それぞれが感じることですが、国内屈指の観光県である北海道の印象がどうなるのか心配です。
宿泊業者の皆さんのお話では、「ホテル・旅館は日々お客さんから予約をいただきますが、必ず値段の話が出ます。そこで、100円でも200円でも安くしようとするお客さんは、あそこはいくらだった、ここはいくらだったと値段交渉をするのがほとんどです。
そこに、宿泊税の話をすると、その分だけでも値引いて欲しいと攻められます。これは税金ですからと説明しても、その分はホテルがかぶるべきだと言われます。」と話していました。それは、宿泊税が宿泊業者のためにはならない一面もあるということになります。
しかし、これまで観光地は、自まかないで観光施策を行ってきましたから、自主財源を得て観光施策を充実させようとするのは、一方で理解が出来ます。
したがって宿泊税は基礎自治体が行うべきものであって、広域自治体がさらに上乗せをするのはなかなか理解ができません。
そして道の宿泊税は、税金の使途が大雑把で効果のほども定かではなく、まずは60億円の収入ありきの様な気がします。