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宿泊税導入表明(ブログ3624)

  • 2024年07月04日

 昨日の予算特別委員会知事総括で、鈴木知事が、「宿泊税導入に向けて概要案をもとに制度の骨格となる条例の策定に着手する。今後とも詳細について検討を深め、早ければ26年4月からの導入に向けて取り組みを進める」と、宿泊税の導入を表明しました。

 この間もお話させていただいていますが、決まっているのは、
 

・対象者~ホテルや旅館、民泊などの宿泊者、(道内約8400施設)
・税額~2万円未満:100円、2万円から5万円未満:200円、5万円以上:5
    00円
・非課税~修学旅行などの学校行事(合宿・スポーツ大会は除外)
・税収~およそ45億円
・使途~観光の高付加価値化、観光サービス、インフラの充実や強化、危機対応力の
    強化
・徴収事業者への事務手数料:3%
・導入市町村への事務経費:4%

 

 これまで、事業者を対象とした地域意見交換会や道議会でも、これ以外に具体的になにも決まっておりません。

 道内約8400施設となってういますが、この定義は法によって宿泊施設と認められている施設ですが、例えば民泊は課税対象となりますが、借地借家法に基づく「ウェークリーマンション(WM)」は課税対象から除外されます。

 そして、WMの料金は、1泊5000円未満が大半を占め、部屋の大きさは、WMの方が広く設計されています。民泊などは観光地を中心に存在しますし、WMは都会のビジネス中心というのがこれまででしたが、最近はそうでもありません。

 例えば札幌は観光都市である一方、高度医療が集積していますし、本社、支社が多く、経済の中心地ともなっていますから、結構な数のWMが市内各所に多数存在します。

 さて、このWMは観光客でも利用可能ですし、電子契約も出来ます。数日泊では、断然お得で宿泊税の対象外ともなっていますが、道はWMについてノーマークです。

 税額では、2万円以下は100円。例えば5000円の場合の税額100円は負担率が0.02%ですが、19000円の場合の負担率は0.005%で、実に4倍の負担率の差が出ます。安い方が負担率が大きいのです。同じく20000円の場合の税額200円は0.01の負担率ですが、49000円の場合は0.004%で2.5倍の負担率の差が出ます。つまり公平であるべき税の徴収に不均衡が生じることになります。この税は、逆累進課税方式と言うことなのでしょうか? 税を支払う観光旅行者は宿泊施設以外のサービスはほぼ均等に享受するにも関わらずです。早晩、倶知安のように宿泊料金の定率が検討されるでしょう。

 その方が負担の公平性が確保されるのと、税収が格段に増収となるからです。

 また、北海道の宿泊施設はその4割が道民の利用となっています。つまり、納税者の理解はどのようにして把握する考えなのでしょうか、この手法が明らかでありません。

 非課税を学校行事としながらも修学旅行に限定している事も説明できていません。学校教育の一環である課外授業の全道大会は、ほぼ札幌市で行われますが学校行事と認めていません。同じ道の教育行政を担う「教育委員会」から徴収するのでしょうか。

 税収の使途は、ルールを作り、そこに当てはまる事業に限定すべきです。幅を持ちすぎると「観光という冠」を付ければ際限なく使途が拡大します。

 事業者への手数料も、税収の3%では少なすぎます。100円の税収で3円の手数料とは、事業者が納得するはずも無いからです。

 何も問題が解決していない状況で、条例案作成だけを急ぐ鈴木知事。新税の導入は慎重を期すことと、住民の理解を得ることが慣用です。


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