宿泊税自治体調査(ブログ3288)
- 2023年07月24日
宿泊税に関する北海道新聞の自治体アンケートの結果が掲載されました。
現在導入をしている自治体は倶知安町で宿泊料金の2%を徴収、つまり、定額では無く定率で、宿泊料金が高くなれば宿泊税の実質収入も大きくなる仕組みで、富裕層の観光客が多い倶知安らしい方法です。
一方、道が検討している宿泊税は179市町村全てを対象に定額100円を徴収することで有識者会議に検討をお願いすることになっています。
今回のアンケートでも明らかなように、著名な観光地は自ら宿泊税の導入を検討しているでしょうから、道の方向性に概ね賛成をするでしょう。
しかし、「反対」が14市町、「その他」が82市町村となっています。
「使途が明確ではない」、「回復期にある観光需要を考慮して導入時期の議論を尽くすべき」という理由はもっともで、今月14日に行われた私たち会派の学習会に参加した道の「観光振興監」も税収の見込みは約35億円(年間3500万人泊と想定)とするものの、その使途は明らかに出来ませんでした。
疑って考えれば、観光振興税(宿泊税)は特定目的税である事から、観光施策という理屈が付けば広範囲に利用できる税と言うことも出来ます。
極端に言えば、道道の補修も観光のため、旅行代金補助・クーポン支援も観光のため、観光バスの運転手不足に対する支援も観光のため、害獣の駆除も観光のため・・・。
こう考えただけでも多岐に渡ってしまう様な気がします。したがって使途は明らかにすべきです。
そして、およそ宿泊者など年間に数える程の自治体にも宿泊税の条例は網がかかり、徴税のための事務が発生します。したがって、道は全ての自治体との協議が必要となってくるでしょう。このことは観光振興監も否定はしませんでした。
また、課税対象外に修学旅行を規定することも道は考えていますが、14日のブログにも掲載しましたように、教育的観点から考えれば、教育費が投入されるスポーツ大会出場や遠征・合宿も対象外にすべきですし、何より北海道観光の約4割りを占める道民に課税するのはいかがなものかと思います。
そして、ビジネスでの出張も必ずと行ってようほど前泊・後泊が必要な北海道の地理的要素も配慮すべきです。
道は、有識者会議や道内自治体との協議を早急に行い、年度内に条例を制定して新年度からの実施を目論んでいます。
結論ありきの有識者会議や、押しつけの市町村との協議では禍根を残します。
新税の導入ですから、課税対象となる道民も含めた丁寧な話し合いが必要だと思います。