宿泊税(ブログ3278)
- 2023年07月14日
今日で第2回定例会が終了しました。
終了と共に新しい税の導入についての検討が始まります。
特定目的税の「観光振興税(宿泊委税)」です。
この税は、2017年北海道観光審議会に「観光振興に係る新たな財源確保に向けた検討部会」を設置して第1回の議論が始まり、それから半年後の18年2月に答申が出ましたが、前知事が翌年に選挙を控えているためなのか手続きに慎重になりすぎ、その間、道内の観光地は、独自に宿泊税の導入検討が進みました。
道の検討経過は、知事選が終了した1年半年後の19年8月7日に「法定外目的税の導入に向けた考え方」をまとめ、今後は「道議会や観光関係者の意見を踏まえて検討を進めると供に、制度の基本的事項について市町村と調整を進め、早期に結論を得るよう努める。」という方向になりました。
その後、「(仮称)観光振興税の具体的イメージ」なるものを19年11月にまとめ、そして、12月25日に学識経験者や観光関係団体、税理士、消費者協会、市町村の代表で構成された「(仮称)観光振興税に係る有識者懇談会」を設置、令和2年2月までに3回の会合を予定し、答申を得るという予定でしたが、20年に入り新型コロナウィルス感染症が発症して、観光は大きなダメージを受けることになり、宿泊税は棚の上に上がってしまいました。
今回、この第2回定例会が終了した後に検討を始めるとされましたが、「観光振興税の具体的イメージ」では、徴収額を一人1泊100円とし、年間3500万人泊で35億円を見込み、今後、新たに有識者、関係団体の代表者で構成する「観光振興を目的とした新税に関する懇談会」を、設置、新税の検討を進める14市町村、北海道市長会、町村会もオブザーバー参加します。
しかし、道民にも大きく関係する新税に消費者団体が入りませんし、全道を網羅する税であるにも関わらず、新税を検討している14市町村以外の165市町村の意見を聞く機会がありません。165市町村も宿泊した場合は徴税対象になり、自治事務が増えることになりますが、埒外におかれます。
道は、「何処に宿泊しようが道は100円を徴収する。自治体でも徴収したければ、個別に条例を制定すれば良い」という立場です。
また、 宿泊税の導入については、当然のことながら免税も考慮しなければなりません。
先行している倶知安町は、修学旅行や企業体験などを課税対象外としていますが、道の条例となれば全道を網羅します。
例えばその他に、スポーツ合宿や、北海道は医師と病院が偏在しており家族などの入院など、病気や怪我の付き添いで宿泊する場合もあります。
そして、 北海道は広大な面積を有する地域です。
道庁所在地である札幌は道内における政治と経済の中心地でもあり、道内各地からの出張も多いのですが、道東、道北、道南からの距離は半端ではありません。
私の函館市からは約280km、飛行機で40分、JR特急で約4時間、車では走行する道路にもよりますが、約5時間かかります。
当然、前泊か後泊は必要で、宿泊しなければ仕事にもなりません。
新幹線が開業しても道北、道東は条件が改善されることは無く宿泊は必死です。
そして広大な面積ゆえに道内観光の約4割は道民です。こんな都府県は他にはありませんが、宿泊すれば道民からも宿泊税を徴収します。
道民は道・市民税を徴収されています。当然、この中から観光関連の支出も行なわれています。観光と仕事を含めると半分の5割近い道民が2重課税となってしまいます。
従って、道民については課税対象外にすべきであり、その方向で検討を進めていただきたいと思いますが、皆さんはいかがお考えですか。