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寂しい春闘

  • 2019年03月19日

 春闘の大手集中回答日で、多くの大企業が前年割れの回答となりました。

 自動車では、トヨタが1,000円減、本田が800円減、日野が200円減となり、
電気でも、日立、東芝、パナソニック、三菱、NEC等が500円減と、大手が軒並み渋い賃上げとなっています。

 2014年から続いた「官製春闘」が終わり、労使独自の交渉となった春闘は安倍晋三氏の思惑とは別の結果を生み出すことになり、厚化粧だったアベノミクスも素顔が現れ始めました。

 大企業がこうであれば、日本企業の99%を占める中小企業でも同じような現象が起きることは必至で、もっともっと慎重な対応となるでしょう。

 結果、賃上げが抑制されれば消費マインドも抑制されることになります。

 それでなくても、今月から6月にかけてグリコ、森永、雪印の乳製品や冷菓、紀文のかまぼこ類、テーブルマーク、東洋水産の冷凍食品、サントリーとキリンビバレッジのペット飲料、明星食品、エースコックの即席麺などの食品が軒並み値上げとなり、さらに10月には消費税増税が控えていることから、国民の生活にとって、さんざんな季節を迎えることになります。

 消費税が2%アップすることになることから、賃金も最低で2%アップしなければ辻褄が合いません。

 給与が25万円では、消費税増税分だけでも最低5,000円のベースアップが必要で、さらに、物価上昇に関わり定期昇給分も最低で5,000円、合わせて10,000円が基本の賃上げではないでしょうか。

 しかし、現実は前段のようにわずかな賃上げでしか有りません。

 したがって、国民の生活は消費マインドのように静かに下降線を辿ります。

 いざなぎ景気の後半は、GDPや毎月勤労統計など50以上もの統計が虚飾された官製景気で、現実とはかけ離れた景気であることが、微々たる賃上げのこの春闘でも明らかになりました。

 寂しい春闘です。


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