少子化対策
- 2020年10月24日
来年、出生数が80万人を割り込むかも知れないと言うことが報道されました。
原因はコロナ禍で、感染症の収束が一向に見えず、感染症が母胎に悪影響を及ぼすのではと言う不安と、雇用状況の悪化による家計不安、広域移動をしなければならない里帰り出産の難しさが、妊娠への負のマインドを呼び込み、前に踏み出せない事が主な原因とされています。
都道府県の妊娠届は軒並み減少し、最大の減少率は山口県の29.7%を筆頭に、青森県が23.7%、石川県が22.5%、北海道も17.8%となっています。
また、それ以前の前提となる結婚も減少しています。
政府は、「結婚新生活支援事業」を改定し、現行の制度を21年度から結婚したら60万円を支給するとのことですが、結婚したカップルみんなが貰えるかと言えば、全くそんなことは無く、まずは内閣府が決めた市区町村に住んでいなければその対象になりません。
北海道でいえば、:夕張市、三笠市、深川市、石狩市、今金町、真狩村、神恵内村、妹背牛町、秩父別町、雨竜町、北竜町、沼田町、当麻町、愛別町、天塩町、幌延町、西興部町、厚真町、むかわ町、音更町の20市町村だけとなっています。
さらに、新制度では①婚姻日の年齢が夫婦とも39歳以下②世帯収入が約540万円未満ということになります。
何より、全国で281市区町村(20年7月10日現在)に住んでいなければ対象外となるわけで、無用な期待感を持たせるだけとなっています。
菅義偉氏は、目玉政策として「不妊治療の保険適用」を打ち出しました。
私の知人も、これまで不妊治療を行い、係る費用について悩んでいましたから、保険適用になることをとても喜んでいましたが、不妊治療に悩んでいる方がどれだけおられるのか、その方々の救済が保険会計上どの程度の負担になるのかは示されていません。
一方、最近の社会保障に関する世論調査結果が18日の東京新聞に掲載されていました。 その調査結果では、少子化対策への予算措置を74%の方が望み、どのような負担軽減策を支持するのかを問うたところ、
①非正規労働者の待遇改善=44%②子育て中の人が働きやすい労働環境の整備=37%③保育所などの施設整備や人材の確保=26%④児童手当などの現金支給増=22%となっており、残念ながら不妊治療への負担軽減策を支持する方は14%となっています。
不妊治療への負担軽減は重要だと思いますが、少子化を防ぐ対策が菅義偉氏の言う「国民の当たり前」とかなりズレているような気がします。