少子化財源に保険料増(ブログ2393)
- 2023年11月13日
後先考えずに大風呂敷を広げ、後になってその財源に苦慮する姿がまたも現れました。
こども家庭庁が「異次元の少子化対策の財源に充てる『支援金』制度創設に向けた有識者会議(有識者会議)」に対し、新しい財源の考え方として、「社会全体が子育て世帯を支える、新しい分かち合い・連帯の仕組み」として社会保障費のうちの健康保険料に上乗せする考え方を打ち出しました。
すなわち、「子育て支援」のために必要な財源、3兆円半ばと言われる額を国民に押しつけるということです。
当然のことながら有識者会議では、この提案に異論が続出、経団連は「国民や企業にとって新たな拠出金が伴う」、連合は「給付と負担の関係が不明瞭な支援金制度は疑問、社会保障制度の趣旨に沿わない」、全国知事会は「医療保険の活用以外の財源確保策も逃げずに議論すべき」、全国健康保険協会は「なぜ医療保険のルートを活用するのか、説明が不十分」と、唐突な政府の考え方に疑問を投げかけています。
これは、子育て支援に対し、保険料を支払っている国民と企業に新たな負担を強いることになりますから、実質的な賃下げに繋がり、企業にとっても賃上げの原資に影響が出てきます。
子育て支援は岸田氏が言い出したことであり、政府が責任を持って実施すべき問題です。
巷間言われているのは、<「異次元」と言っても、やることは「児童手当」とか「誰でも保育」とか、これまでの政策の延長線上のものばかり。>と全く評価されていませんし、少子化の原因が妊娠・出産費用にあるかのように考えること自体、本質を見極めていないと言うことではないでしょうか。
中身に新味が無く、効果も定かではない代物ばかりが並び、これでは岸田氏が唯一存在感を示せる「バラマキ」の延長でしか有りません。
そして、その負担を負うのがいつも国民と言うことになります。