島内での共同居住
- 2016年12月26日
日ロ共同経済協力の一環として、北方領土での共同経済活動を推進したい安倍晋三が、日ロ双方の国民が島内で一緒に暮らすことを想定していることを明らかにしました。
これが現実のものとなれば、新しい試みとして世界でもあまり例のないこととなると思いますし、元島民の皆さんにとっても朗報だと思います。
しかし、果たしてこの試みが実現するのかというと、様々な疑問が惹起します。
住むと言うことは、そこで生活をすると言うことです。
そして生活すると言うことは衣食住は勿論、医療や介護、エネルギーなどに関わる制度やレベルが双方にとって満足できるものになるのか、通貨や金融機関は、法の適用は、など様々な事をクリアーしなければなりません。
とりわけ、どちらの法の下で生活するのかは大きな問題です。
無論、ロシアの法の下での生活にしろ、日本の法の下での生活にしろ、お互いの領土の帰属に関わることになるので、双方の理解が得られることにはならないでしょう。
かといって、お互いの立場を害しない共通の制度の下でということも、ロシア側は承知しないでしょう。
ならば、具体的に日本国民とロシア国民が島内で一緒に暮らすなどというのは、まさしく言葉遊びの域を出ないものとしか言い様がありません。
安倍晋三が「息を吐くように嘘を言う」と言われているように、この考えも単なる思いつきで、国民や島民に期待をもたらしながら、責任を取らないというこれまでの手法を今度も使うのかと疑ってしまう、今日この頃です。