島国の国境観
- 2010年11月02日
日本は陸続きの国境を持たない島国で、日常から領土に対する関心に疎い国民性であると思います。
しかし、現実には韓国と竹島問題を抱え、中国とは緊張関係が再燃した尖閣諸島問題、そして、今回は北方領土が大きくクローズアップされました。
領有権については、関係されている皆さんの一大関心事ではありますが、大多数の国民にとって日頃この問題は意識の外に有るのではと思いますが、本来もっと関心を持つべき問題ではないでしょうか。
日本と二国間で領有権の主張しあっている中国とロシアが日本を牽制し始め、緊張が高まっている今、疑ってはいませんが、残る韓国が何かを仕掛けてくるのではと危惧します。
領土問題は、国民のアイデンティティーであると共にそこに有る全ての資源・資産が絡む経済問題であり、関係二国間では解決が難しい問題であるからこそ長年引きずってきているわけで、解決には第三者が客観的な史実に基づいた合理的な判断をもって時間をかけながら双方の理解を得る努力が必要となってくるわけであり、その役目を果たすのが国連の使命と思いますが、国連にその力が無いのも事実です。
先に、韓国と日本の歴史学者が、お互いに正しい歴史認識を共有する努力を行ったことがありましたが、残念ながらお互い一つの歴史観とするまでには至らなかったを思い出します。
歴史認識、とりわけ戦争等における戦勝国と敗戦国の認識は、同じ事柄についても被害者側と加害者側の思いも含めてかなりの差が生じます。
このことなどからも、それぞれ、陸続きに国境を接している国々は、常に他国との国境への認識がありますが、島国の日本はなんと緩いのでしょうか。
北海道民は、まさしく北方領土と隣接していることから領土問題の解決は悲願ですが、首都圏等の方にはその思いにズレがあるように感じます。
また、日本人の国民性は性善説が根底にあることから、「まさか隣人がこんなことはしないだろう」という穏やかさが支配していると思いますし、私もそう思っていました。
しかし、これからは政治に携わる者は勿論、国民全てが常に国境について認識し、隣国と付き合っていかなければならないことを肝に命ずるべきだと思います。