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島根原発と避難計画(ブログ3773)

  • 2024年12月13日

 島根原発2号炉の再稼働が実質的に行われ、12月下旬には発送電を開始し、1月上旬には商業運転が始まります。

 島根原発は、全国で唯一県庁所在地に立地しており、UPZ圏内(原発から30km以内)には45万人が居住しています。

 松江市は、宍道湖と大橋川をはさみ南北に分かれており、仮に大きな地震が起きた場合中心部の橋の崩落や道路の損壊などによって、交通が渋滞し、さらに、周辺には土砂災害警戒区域が点在していることから災害の大きさにもよりますが、避難に支障を来すことが想定されますし、今年1月の能登半島地震はそのことを私たちに突きつけたのです。

 島根県の丸山達也知事は再稼働を了承する際に、「安全を最優先に行程を進めてもらう必要がある。引き続き状況を注視していく。」と話していますが、これも無責任な発言と言わざるを得ません。再稼働の為の行程を慎重に行うように求めたのかも知れませんが、再稼働の前提となるのは万全な避難計画が整っているかということです。

 ご存じのように、規制委員会は、新しい知見によって原発がその基準を満たしているかだけを判断しますが、避難計画については全く関与しません。

 避難計画は自治体の責務であることから、都道府県による原子力防災計画の中に広域の避難計画が記されていなければならず、UPZ圏内の市町村も同様に個別の避難計画を作成しなければなりませんが、小さな町村では職員数も限られる事からコンサルに委託し、何処も「金太郎飴」のような計画となっているような気がします。

 島根県知事は、島根県の原子力広域防災計画の責任者であることから逃れられません。

 国会では、この間の質疑の中で、菅元総理が、「我が国においては、しっかりとした避難計画が作れない中で、再稼働が実態として進む事は無い。」とはっきり明言しています。

 政権の最高責任者である総理大臣の言葉は、非常に重いもので、その国の方向性を決めるものです。従って、「しっかりとした」とは、すなわち「行為が確実に行われる」事と言うことです。避難行為が危ぶまれる場合、原発の再稼働はあり得ないのです。

 いくら規制委員会が規制基準に適合したと判断しても、それが安全を担保しているものではない事は規制委員会みずからが明らかにしています。

 果たして、島根原発の避難計画は実効性の伴うものなのでしょうか。

 そして、今後、泊3号炉が規制委員会によって基準に適合したとしても、再稼働の前に避難計画がしっかりしたものかどうかが問われます。簡単に再稼働というわけにはいかないのです。


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