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市街地で訓練?

  • 2022年05月20日

 大阪市の人工島・舞洲で、航空自衛隊が地対空誘導ミサイル「パトリオット(PAC3)」の機動訓練を行ったと道新が報道しました。

 自衛隊施設外の市街地での同様の訓練は6回目ということで、この日も一般市民約30人ほどが足を止めて訓練を見学していたということです。

 あえて市民の目にとまる場所で訓練をする理由を、防衛省は「事態が切迫した際は市街地での展開も想定され、住民に慣れて貰いたい。」という意図があると話しています。

 言い換えれば、「自衛隊の訓練を市民が日常風景として受け入れ、問題視しないように誘導する。」と言うことになります。

 しかし、そんなことに何の意味があるのでしょうか。

 このPAC3の迎撃能力は、せいぜい高度数十キロ程度という短距離射程で、防衛省幹部も「現実的に迎撃は困難。」と話しています。

 市街地で短距離ミサイルの訓練すると言うことは、地上戦が展開されることを想定するのか、それとも制空権を敵国に制圧された場合等でしか無く、そのような事態になる前に敵国の中・長距離ミサイルが自衛隊基地・米軍基地や国会・防衛省・原発などを攻撃するはずですし、日本の「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の概念からすると、敵国の攻撃の前に敵基地や指揮統制の中枢を叩く事になります。

 つまり、ウクライナのような国境が陸続きの場合と違い、周りを海に囲まれている日本は、敵が上陸してくる前に戦争の勝敗が見えてしまうことになります。

 現実的では無い兵器の訓練を市街地で行うなど、全く無意味としか言い様がなく、頭の中は今でも昭和や平成前期的戦術を考え、それを市民に見せて慣れて貰うなど、防衛省は、本当に大丈夫なのかと心配してしまいます。


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