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年収の壁(ブログ3345)

  • 2023年09月26日

 扶養手当が支給されなくなる専業主婦のパートやアルバイトの壁となっている年収について、すなわち所得税が発生する「103万円」、従業員101人以上の企業で社会保険料が発生する「106万円」、従業員100人以下の企業で社会保険料が発生する「130万円」、この壁があることから、専業主婦の方々が収入を抑えるために残業などに応ぜず就労調整を余儀なくされています。

 また、労働者不足のために専業主婦の労働力に頼っている中小・零細企業は、この壁を撤廃して欲しい一方、年収130万円を超えてしまうと、事業者と労働者が折半で社会保険料を支出しなければならないため、ジレンマに陥っています。そのために政府はこの壁の撤廃と社会保険料のあり方を模索していました。

 そして、25日に岸田氏が、この壁を撤廃する「対策パッケージ」を発表しました。

 しかし、残念ながらこれが抜本的な解決策にならないことは誰が見ても明らかです。

 考え出されたのが、「130万円を超えても、連続2年間までは扶養を外れない」というものです。

 そうなれば、3年目には元に戻ってしまい、また今と同じ状況になってしまいます。

 また、すでに年収130万円を超え保険料を負担している方との不公平が生じます。

 つまり、今回の「対策パッケージ」とは単なる弥縫策でしかないということです。

 企業には社会保険料の折半分をなるべく支払わせず、働く側には「壁を取っ払った」と見せかけるだけという、まったく場当たり的な、それも期限限定という問題解決にはほど遠いものだと言わざるを得ません。これを乗り越えられないのは、「岸田の壁」なのでしょうか。


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