年金と生活保護
- 2019年07月22日
6月16日のブログ「年金制度に思う」に、次のような内容を記載しました。
<憲法第25条は「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定し、生存権を担保していますし、そのために生活保護制度があるのです。
国民年金受給者は、月に7万円程度の支給しか無く、これでは生活することができませんし、無年金者も少ない数ではありません。
一人一人に寄り添う社会、年金についても一人一人が安心できる、そういう制度であるべきなのはその論を待たないところだろうと思います。>
選挙後は早急に臨時国会を開催し、与野党が真摯に年金問題について協議を重ねていかなければなりません。
先のブログでも記載したように、国民の生存権を確保するのは国の責務です。
国民年金の支給額は月額約6万5000円程度で、これでは生活が成り立たないのは明らかです。
財務省が試算した厚生年金21万では月に5万以上が足りず、貯蓄が2000万円は必要としましたが、国民年金の場合は、約その3倍である6000万円が必要となる計算となりますから、全く雲をつかむような話ですし、マクロ経済スライドを継続していけば、今後さらに年金支給額は削減されてしまいます。
従って、足りない分は生活保護費で補填しなければなりません。
年金受給世帯の中で150万円以下の世帯は約6割にも及びます。配偶者に不幸があれば遺族年金となり、最悪では年金が半額になってしまいます。
親族などが支援してくれる場合もあるかもしれませんが、親族にも生活があります。
そして生活保護の5割以上は高齢者世帯です。
この現実を考えなければなりません。
年金は、徴収された保険料を中心に運営されていますが、生活保護費は全てが税です。
それも4分の3が国、4分の1が自治体負担となっています。
年金受給額の不足分を生活保護費で補填し、また今後も年金額が減額されれば生活保護費が急増しますから、当然のことながら自治体負担が増えることになります。
国が行う年金という制度の歪みを地方自治体の財政に負わせるということは、まったくおかしな話です。
政府は、年金問題について真剣に答えを出していく責任があります。