後先を考えない発想
- 2019年05月27日
丸山穂高衆議院議員の話題が尾を引いていますが、この丸山議員は東大経済学部卒、経産省入庁後に3年で退官、松下政経塾を経て2012年大阪19区から日本維新の会公認で立候補し当選、現在3期目の国会議員で絵にかいたようなエリートコースを歩んできた方です。
その方の発言ですから、酔った勢いの「絵空事」ではなく、日頃からそういう思想を持っておられたのでしょうし、そのために国会の沖縄・北方特別委員会に所属したのかもしれません。
「戦争しないとどうしようもなくないですか」との発言は、交渉ではなく実力行使を選択すべきとの意図があると理解しますが、その背景には何があるのでしょうか。
ロシアの軍事力について軍事ジャーナリストの田岡俊次さんは、<ロシア軍の兵力削減は顕著で、冷戦終了後1989年にはソ連軍の総兵力は426万人だったが現在は90万人(うち陸軍は28万人)、シベリア東部を含む極東ロシア陸軍はかつての39万人から7万人(陸上自衛隊は14万人)程に減少、千島列島には3500人程度、昨年3月に陸上自衛隊は「水陸起動団(南西諸島、とりわけ尖閣諸島を意識した)」が3000人規模で創設され、上陸作戦用の装備の調達も進み戦って離島を奪還する能力を持ちつつある。
ロシア軍は弱体と言われており、日本は一時的には北方領土を占拠できるかもしれないが、もしそんなことになれば相手は核保有国であり、全力で反撃に出るであろう。>と論評しています。
丸山議員は、水陸起動団があれば奪還できるとでも考えていたのでしょうか。
この度の丸山議員の発言で領土交渉は暗礁に乗り上げたと言っていいでしょう。
そして、「日本は交渉で北方領土を解決するのは不可能だと白旗を上げた」と世界に認識させてしまったのかもしれません。
まったく罪深い発言であり議員辞職は当然です。
「適応障害」などと逃げ回るテクニックは、都市再生機構がらみで薩摩興行から大臣室で50万円を2回受け取ったことが明るみに出て、「睡眠障害」を理由に国会を欠席した甘利明氏を思い出させます。
丸山議員は通常国会中に国会に出席し、清く謝罪し、自ら辞職すべきです。