後進国の仲間入りか
- 2021年12月27日
「日本の国際的地位がどんどん下がり、今や先進国とは言いづらい程となっている。」と評する、一橋大学の野口悠紀雄名誉教授のコラムがネットの東洋経済オンラインに掲載されていました。
野口氏は、その原因として「第1に円安が進んだこと、第2に世界が成長する中で日本が成長しなかったから。」と分析しています。
つまり、日本が世界から取り残されてきたのはアベノミクスの期間に起こった二つの出来事が主因であるとのこと。
詳しくは氏のコラムを読んで欲しいと思いますが、改めて考えてみるとコロナウィルス感染症が蔓延し始めて最も必要な「マスク」が日本で製造していない、ワクチンの開発も他国に依存するだけで自国での研究開発はそのレベルに達しておらず、研究さえも行っていなかった、自家用車を購入しようとしても日本で半導体を製作していないことから、納入が半年から1年後という現象が起きている、家を建てる契約をしたが材料が不足しており建設費が1割も高騰している。
日本は、自国で原材料を調達する事が出来ない国になってしまい、世界のサプライチェーン頼みという現実が、産業の成長に大きなブレークとなってしまっています。
さらに、円安が進み輸入原材料を円建てでは無くドル建て支払う場合は、当然のように輸入原材料が高騰することになり、さらに円安は円の信用を低下させ、海外へ投資が流れる動きが加速し、債権や株式の価格が下がってしまいます。
今の日本は国民1人当たりのGDPは世界24位と落ち込み、4万704ドルとなっていますが、因みに、世界1位のルクセンブルグは13万1,301ドルで日本の3倍以上、米国は6万375ドルで2倍以上、ドイツが5万807ドルとなっています。
自国通貨建て1人に当たりのGDPの2000年~2021年の増加率を見ると、日本が4.6%、米国が91.0%、韓国が188.0%、イギリスが78.5%、ドイツが64.2%と、日本を除く各国は軒並み国の成長と連動して1人当たりのGDPが大幅に上昇していますが、日本は20年間でたったの4%しか成長していなかったのです。
このまま何も手を打たずズルズルと今の経済政策を続けていけば、日本は先進国というグループから脱落し、中等国いや後進国へと雪崩を打っていきそうです。
多くの国民は、今でも日本は先進国と信じて疑わないでしょうが、そう思っているのは日本人だけなのかも知れません。