忖度させた罪
- 2017年03月28日
予算が成立し、国会では予算委員会が一段落したことから、森友学園問題が国民の耳目から少しずつ薄れていくことを懸念します。
アンケート調査でも8割近くの国民が「真相は解明されていない」と感じています。
97兆円の予算が成立し、与党は一安心とばかり次の課題である共謀罪に向かうつもりなのでしょう。
テレビのニュースやワイドショーでも取り上げられる時間が少なくなっていますし、新聞の紙面も大分小さくなってきました。
視聴率や部数を稼ぐ為には、新しい事実が出てこなければ終わった事件として扱うという方針では、マスメディアとしての使命にも疑問符を付けざるを得ません。
膨大な国有財産の内のたった8億円かも知れませんが、今回の事件は独裁政権である安倍晋三の本質が問われる事件ではないでしょうか。
誰も逆らうことが出来ない絶対君主、安倍晋三の妻が「瑞穂の国記念小學院:安倍昭恵名誉校長」です。この肩書きだけで官僚は「忖度」しまくりです。
国の省庁の人事権が官邸に移されてから、官僚は、官邸を無視できません。
人事は官僚や役人の魂を握る最大の権限ですから、何処の世界でも権力者は人事をフルに活用します。
逆に官僚や役人は、権力者に評価されたくて、媚びを売ることになります。
そこまで露骨ではないにしても、権力者やその周辺に関係する方の意向を何かと忖度する、便宜を図るのはその習性の現れです。
従って、安倍晋三が何もしなくても、総理大臣夫人が名誉校長であることで廻りは勝手に忖度してしまうのです。
ましてや、お付きの方が官邸から「安倍昭恵夫人案件」として問い合わせれば、それ以上の圧力は無く、何とかしなけらばと思うのは火を見るより明らかです。
問い合わせを受けた財務省国有財産審査室田村室長は、「低地借地権契約延長」について1枚目のファックスで、希望に添うことが出来ないと解答しましたが、2枚目のファックスで、「一般的には工事終了時に精算払いをするのが基本でありますが、学校法人森友学園と国土交通相航空局との調整にあたり、予算措置が付き次第、返金する旨の了解があったと承知しています。平成27年度での予算措置は出来なかったけれど、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」という、工事費の立て替えの予算化について言及しています。
ましてや、国交省空港局とも調整することになっており、身内の財務省近畿財務局も一役かっています。
併せて、大阪府私学振興審議会も小学校設立について異例の認可を出しました。
これが、総理大臣夫人安倍昭恵という肩書きの圧力です。
もう一つ、官僚や役人は必ずメモを保存しています、自身がメモしていなくても必ず同席した部下にメモをさせるのは常識で、後日、「言った、言わない」となった時や自身の保身のためにメモや記録をとるのは当然のことであり、佐川理財局長が言う「交渉記録は廃棄した」というのは、官僚の世界ではあり得ないことであり完全な嘘であることは、自衛隊の日報破棄事件でも明らかです。
この事件をうやむやにすることは、今後、安倍が何をやろうともうやむやになると言うことです。
安倍晋三は「私や妻が関与していたら総理大臣も議員も辞める」と豪語しました。
そして妻がお付きの方に指示し、報告を受けたことはファックスでも明らかですし、そこから忖度が始まりました。否定しても、すっかり関与しているのです。