慎重な判断を
- 2020年10月01日
寿都町長も神恵内村長も高レベル放射性廃棄物の文献調査を受け容れる判断をするようです。
両自治体は、この間、経産省資源エネルギー庁(政府)と原子力発電環境整備機構(NUMO)による住民説明会を地域毎に開催し、どちらも住民理解を得たとしています。
しかし、この住民説明会については当初から調査を推進する国とNUMOだけから説明を聞き、推進に慎重な立場の日本学術会議や多くの専門家などの説明は聞かないという一方的な手法で行われました。
高レベル放射性廃棄物最終処分場とはどんな施設か初めて聞く住民にとっては、政府やNUMOが安全と主張すれば、「国が言っていることだもの、間違いはないだろうと」という先入観念に基づいて判断をすることになります。
さらに、町や村の将来は調査謝礼金の20億円や70億円が無ければ成り立たないなどと首長からの説明を聞けば、「途中で断ることが出来るのならば、調査をしてもいいのでは。」と流されていくだろうことは想像出来るシナリオです。
首長も、「時間をかければ反対の声も多くなるから早く判断したい」と本音も覗かせていました。
安全とお金は、「今まで来た道」です。
原発誘致と構図は全く同じで、過疎の街に原発が来ればそこに雇用が生まれる、人口が増える、原発交付金で福祉が充実する、公共施設が充実するなどと言葉巧みに言い寄り、結果は、フクシマ原発に見るように絶対の安全は無く、ふる里まで奪われてしまい戻ることさえ出来ず家族やコミュニティーがバラバラになり、その補償はわずかな見舞金だけとなってしまいました。
改めて、両自治体の住民の皆さんは、一度立ち止まり、一方的な話だけでは無く多方面の考え方を聴取して誤りの無い判断をしていただきたいと思います。
そして、皆さんの判断が周辺の自治体だけでは無く北海道全体に大きな影響を及ぼすことも十分に考慮して欲しいものだと思います。
今の時流のように「今だけ、金だけ、自分だけ」とならないために。