慰安婦問題と捏造記事
- 2015年12月30日
日韓外相会談によって、長い間、日韓間の懸案事項でした「慰安婦」問題について、相互理解を持ってして政治決着することになり、併せて電話での首脳会談も開催、解決へと一歩ずつ向かい始めました。
会談において、岸田外相が「慰安婦問題は、軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している。」とコメントし、軍の関与を改めて公式に認めました。
この軍の関与に関わっては、軍が関与していたとする朝日新聞の記事が捏造であると、産経新聞を中心に右派系マスコミや評論家などが世論を煽り、当時記事を執筆した元朝日新聞の植村記者を非難、非常勤講師を務めていた北星学園大学やその家族までをも巻き込んで脅迫するなど、大きな問題に発展しました。
軍の関与はこれまでも日本政府が認めていたことでありながら、官邸がその黒幕なのかも知れませんが、マスコミなどを利用して記者個人や掲載した新聞社を攻撃、訴訟問題にまで発展しました。
しかし、12月4日発売の「週刊 金曜日」の「歴史修正主義と闘う ~慰安婦報道と産経新聞~」という特集に、産経新聞編集委員:阿比留瑠比氏と朝日新聞元記者:植村 隆氏の対談が掲載されていましたが、この中で阿比留氏は、91年12月7日付けの産経新聞記事について、自社が過去に「強制連行」と書いてあることを知らないで植村氏を非難していたこと、産経記者が被害者に直接取材をしていないで記事を書いたこと等々が明らかになり、この対談がネットで大きな反響を呼んでいることや、リテラのネットニュースでは<産経新聞「従軍慰安婦報道」のみっともない真実」>という連載において、それぞれの見出しに<慰安婦問題で右派から隣地を受けた下朝日・植村記者が産経の阿比留記者に反撃!産経の失態を次々暴露>、<「韓国人慰安婦を強制連行」と書いたのは朝日でなく産経新聞だった!植村記者に論破され阿比留記者が赤っ恥>などと書かれていることが掲載されていました。
まさしく、軍の関与は政府も認めていたものであり、産経は誤報とキャンペーンを張ったこれまでの逆捏造記事を謝罪すべきですし、それを賞賛した安倍晋三の罪も重いものだと思います。
まことしやかに歴史を修正しようとする歴史修正主義者が大手を振らないよう、冷静な判断をする努力が私たちにも求められています。