憲法の改正
- 2013年04月12日
安倍首相は、今夏の参議院選挙において、憲法96条の改正を行い、憲法改正の三分の二条項を二分の一に改正することを目指しています。
なぜ今、憲法改正が必要なのでしょう。
その理由の多くは、「戦後、連合国軍総司令部から押しつけられた憲法であり、国民が自主的に制定したものではない。」というものです。
日本国憲法は、どのようにして生まれたかはご存じの方も多いと思いますが、要約しますと、日本政府が草案を策定しましたが、内容的に「明治憲法」と同質のものであり、連合国軍総司令部は、これに代わる草案を作成し日本国政府に提示、政府はこれを基に憲法改正草案を作り枢密院にはかった後、帝国議会に提出し、いくつかの修正を経て可決され公布・施行されたものです。
従って押しつけられたものではなく、示された草案を基に政府が草案を策定したものであることから、国民の手によって作られたものです。
仮に、押しつけられたものだとしても、「良いものは良い」のではないでしょうか。
日本国憲法は「硬性憲法」で、改正に際し通常の法律より厳重な手続きを必要とする憲法で、最高法規としての憲法は硬性であって世界各国の憲法も通常は硬性憲法となっています。
ドイツでも連邦議会の三分の二及び、連邦参議院の三分の二の承認が必要となっており、
米国の憲法修正発議は各両院の三分の二、または全州の三分の二の議会の請求が必要で、議決には両院の四分の三、または、全州の四分の三の承認が必要でとなっていることから、
改正のハードルは日本より高くなっています。
安倍首相は9条の改正をもくろみ、戦争が出来る普通の国にしたいようですし、これこそが戦後レジュームのからの脱却の根幹のようです。
私たちは戦争のできる普通の国よりも、戦争の出来ない特別の国でありたいと思います。 一方では、今の憲法に不足しているものが有ると言われ、例えば「首相の公選制」「参議院の廃止」「環境権」などが取り上げられますが、「首相の公選制」は、国民の直接選挙で選ばれても議会の与党が少数であれば予算も法案も通りませんから、多数野党の要求を飲み込まざるを得ず、結局、公約の実行や首相の方針がままならないという弊害も出てきます。
「参議院の廃止」は、二院制の監視機能が低下することになります。
「環境権」は、現行憲法25条(生存権)などに関わる法律を作ることで対処できると思います。
自民党の「憲法改正草案」や維新の会の「改憲綱領」を読み直し、そこに描かれた本質を知ることが大切だと思います。