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憲法学習会

  • 2018年05月20日

 函道南市民の会主催の憲法学習会に参加しました。

 講師は、日弁連憲法問題対策本部副本部長・資格試験予備校伊藤塾塾長・法学館憲法研究所所長で、朝まで生テレビや日曜討論などにも出演している伊藤 真弁護士です。

 聴衆は約300人、表題は「日本国憲法の理念 ~憲法改定を巡る議論の現状と課題~」約2時間の講義は中身が濃く、とても充実した内容でした。

 まず今の社会状況について、国民の無関心がファシズムを生むとし、ホロコーストミュジーアムのローレンス・ブリット博士が表した14項目、

<ファシズムの初期の徴候>

・強力で継続的なナショナリズム ・人権の軽視 ・団結の目的のため敵国を設定 ・軍事優先(軍隊の優越性) ・蔓延する性差別 ・マスメディアのコントロール ・安全保障強化への異常な執着 ・宗教と政治の一体化 ・企業の力の保護 ・抑圧される労働者・知性や芸術の軽視 ・刑罰強化への執着 ・身びいきの蔓延や腐敗(汚職) ・詐欺的な選挙

を引き合いに、安倍政権との相似性を指摘、また、国民投票制度の不公平性と問題点を解説し、米国帰還兵の実態と自衛隊員に起こるであろう戦争の後の戦争、さらに、改憲派が口にする「憲法9条が我が国を戦争から守っているというのは楽観主義だ」という事への反論として、どちらが楽観主義なのかを、

<戦争についての楽観>

・軍隊は国民を守るものだという楽観 ・武力で紛争を解決出来ると思う楽観 ・日本の帰還兵は精神的に強靱なのでPTSDなどにかかったり、自殺するはずはないと思う楽観・アメリカが自国の国益のために日本を犠牲にすることは絶対にないと思う楽観 ・戦争すれば勝てる、または被害がないと思う楽観 ・攻められても原発は標的にならないと思う楽観 ・敵を作ってもテロの標的にはならないと思っている楽観 ・戦争になっても犠牲になるのは自衛官だけと思う楽観。

<人権への影響についての楽観>

・軍事費が膨大にかかっても、国民の福祉に影響が無いと思っている楽観 ・軍需産業が儲けた利益が国民にまわると思っている楽観 ・軍隊を持っても人権保障には影響がないと思っている楽観。

<政治家についての楽観>

・軍事情報が開示され文民統制が可能だと思っている楽観 ・日本の政治家には、米国の要求を拒否できる能力があり、かつ軍需産業の意向等には左右されないと思う楽観 ・憲法を変えれば独立主権国家になれると思っている楽観 ・武装しても中立でいられると思っている楽観 ・戦前、失敗した軍事力の統制を今の政治家なら出来ると思っている楽観。 と指摘しています。

 さらに、1874年の台湾出兵から1945年までの71年間、戦争に明け暮れた日本、そして、平和憲法制定から今年で71年が経ったこと、国連の平和度指数では日本は16年度の9位から17年度に10位になったこと、そして、世界有数の戦力と核抑止力を誇る米国が17年度114位、中国が116位であり、抑止力の高いことが平和につながっていないこと、同じく160位の南スーダン、161位のイラク、162位のアフガニスタンなど、一番危険な国へ自衛隊を派遣していたこと、そして、ソフトな形の徴兵制など、内容の豊富さは講師自身も「2時間では足りない」と話し、聴講している私たちも同じようにもっと聞いていたいと思う貴重な時間であり、伊藤弁護士を頼もしい論客であると大いに賞賛した1日となりました。


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