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懲りない原子力村

  • 2016年12月22日

 政府が関係閣僚会議を開催して、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を正式に決定しました。

 一方、政府は、核サイクル政策を維持する事も決定し、実証炉の開発に着手することも決めました。

 ご存じの通り新型の原発は、初めに①実験炉→②原型炉→③実証炉→④実用炉(商業炉)という段階を踏み、新型炉に問題がないか技術やデーターの蓄積を行い、様々な検証をクリアーして始めて、一般向けに発電を行う商業炉へとたどり着きます。

 国は、原型炉である「もんじゅ」が事故続きでその目的を果たせないことから廃炉にしたにもかかわらず、「もんじゅ」の前段階の実験炉である「常陽」を、「もんじゅ」の次の段階である実証炉の研究に活用して、核燃サイクルの実用を目指すと言っています。

 政府の言っていることが理解できません。

 原型炉がダメになった検証も行わず、実証炉を開発できる技術が有るとして、何が何でも突き進もうとしていますが、原型炉を運転する技術が20年経っても確立せずに廃炉とすることを決めながら、その先の技術があるという訳の判らない事を皆さんは理解できるのでしょうか。

 そして、「もんじゅ」の前段階の「常陽」も、2007年に燃料棒の交換装置と計測線実験装置が衝突した大きな事故を起こし、2014年に復旧はしたものの炉は休止したままとなっています。

 当初計画では、順調に推移して2050年に実用炉開発を目指すことになっています。 一方、国が頼りにするフランスの高速炉「アストリッド」は、2013年~15年:概念設計→16年~19年:基本設計→19年末に建設判断→25年運転開始というスケジュールになっていますが、成果が出るかは未だに不透明となっており、先行きが見えていません。

 国民の多くが原発から再生可能エネルギーへの転換を求めている事に目もくれず、懲りない「原子力村」が、またまた「鎌首」を持ち上げています。

 国は、「もんじゅ」の失敗や検証を国民に明らかにすることから始めなければいけません。またぞろ「夢のエネルギー」という看板でごまかそうとしても、国民は騙されません。


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