成果の無いG7(ブログ3198)
- 2023年04月25日
先進国では当然の人権として認められているLGBTQですが、日本では関係法案が店ざらしにされたままです。
この問題について、5月に開催されるG7サミットを前に、国内において「LGBTQ理解増進法」を制定しようと国会の日程に上がりましたが、統一自治体選挙が始まってしまったために審議が中断、今後も再開する見通しが立たないままになっています。
岸田氏が法案の準備を始めるように指示しましたが、肝心の自民党内では保守層が慎重になっており、5月19日に迫るG7開催までに法案が成立するどころか審議に至るまでにも紆余曲折がありそうです。
もとより、たたき台となる21年の5月に超党派でまとめた理解増進法の中に「差別は許されない」という文書が書かれていることを理由に、自民党内で、いちゃもんが付けられています。
本来であれば、「理解増進」などと言うお茶の濁し方では無く、「差別禁止」と明確に記載すべきであり、そうで無ければ結局何も変わること無く現状を維持していくだけになってしまいますし、北海道などの様なパートナーシップ制度に難色を示している自治体は、「理解増進法」を盾にとって「住民理解の醸成に力を入れる」ということに逃げ込むことが可能になってしまいます。
したがって、G7並の人権国家たらんとするならば、ダイバシティ(多様性)とソーシャルインクルージョン(社会的包摂)を、言葉だけでは無く政策の中心に据えた社会に変えることが必要です。これはLGBTQの差別解消だけでは無く、国際的に批判されている日本の入管制度や外国人差別、日本学術会議などアカデミックへの介入、拡大する格差社会などに政府がどれだけの意識を持ち、解消しようとしているのかの本気度です。
しかし、今の政府・与党にその事を望むのは、まさしく無い物ねだりなのでしょう。
そして、今回のG7サミットも、「人権に無関心な国、日本」というレッテルだけ貼られて、何も解決に結びつかない「会議は踊る」状態で終了することでしょう。
そうだとすれば、事前の環境相会議において「原発や化石エネルギー削減の具体的な目標」が示されなかったことと同様に、G7の存在の無意味さが拡大するだけです。