戦争と原発
- 2022年03月05日
ロシア軍が、ウクライナの最大原発である「ザポリジエ原発(100万kw×6基)」を砲撃して制圧したことが報道されました。
廃炉(石棺)状態のチェルノブイリ原発に続き二つ目の原発を人質とし、脅しの材料としていますし、今後もウクライナ国内の原発の制圧を目指すでしょう。
世界は既に、チェルノブイリ原発、スリーマイル原発、フクシマ原発という3回の事故に遭遇し、放射能汚染という最大の環境汚染を経験したことから、核兵器も使用も辞さないと発言したプーチンが原発を制圧したことに言い知れぬ恐怖を感じています。
世界の原発が自然や外部からの攻撃などにどのような知見で対処しているかは知りませんが、日本国内の原発はフクシマ原発の教訓を基にして、地震対策や津波対策に対しての安全基準の他にも外部からのミサイル攻撃等をも想定した安全対策を講じていることになっています。
しかし、起こりうることは無いと思っていたことが起こってしまった今、本当に外部からの攻撃に耐えうるのか不安を感じています。
今回の教訓は、敵国の攻撃は破壊兵器だけでは無く制圧ということもありうるということです。
原発は、繊細な施設です。冷却水が循環しなければ炉心溶融(メルトダウン)や、水素爆発が起こります。そして全ての稼働には電源が必要となります。事故などの場合に備えて予備電源は確保されていても、ある意図を持っている集団に操作員が束縛されても、また電源を遮断されても原発は制御が出来ずに大きな事故を巻き起こし、放射能は大気に放たれ地球を覆い尽くします。
これからは、規制委員会の審査も今までとは違う審査と言うことになら無ければなりません。
ナゼか、規制委員会は常に新しい知見を基に審査しなければならないからです。
新しい知見に加わるのは、外部からの新兵器による具体的な攻撃への対処と、悪意を持った集団による原発制圧時における処置と言うことになります。
これらの対処が可能なのかは分かりませんが、そこまでのリスクを持ってしてでも稼働させなければならないものでは無いと思います。