戦前レジームへの回帰
- 2017年04月03日
厚労省は31日、3歳以上を対象に、保育現場で国旗と国歌に親しむと初めて明記する保育所の運営指針を決定しました。
文科省も幼稚園において同じような主旨を教育要領に盛り込んだことから、幼保足並みをそろえての国旗・国歌が、幼児期から刷り込まれます。
幼気(いたいけ)な子どもが、行事の度に園に国旗が掲揚されて国家を歌う姿は、この間の森友学園の幼稚園での「教育勅語」を思い起こさせます。
この指針をまとめた有識者会議では異論が無かったとのこと、誰一人異論が無かった事が今の安倍1強を象徴しているのかも知れません。
この「教育勅語」は、軍国主義の礎になったとし、また基本的人権を損ない、国際信義にも疑問を残すという理由で1948年に衆参両院で教育勅語の排除・失効が決議され、その前年には新しい教育基本法が制定されましたが、3日の衆議院決算委員会行政監視委員会で、松野文科相は「教育勅語を歴史教材に用いることは問題無い」と発言しました。
さらに、中学校の学習指導要綱では、保健体育の「武道」の授業に「銃剣道」が盛り込まれました。
銃剣術は、白兵戦で敵を殺戮するための武術で、日本古来の武道とは全く違います。
銃剣は相手を突きまくる武器で、よく戦前の映画でもワラ俵に「エイエイ」と突き立てるシーンがありました。
また、中学の剣道では「突き」は禁じられていますから、全く整合性が取れていません。
現在でも、銃剣道の競技人口の半分以上は自衛官で、一般部門も元自衛官や子息が多く、「自衛官の競技」という状態のようです。
従って自衛官の訓練が主目的となっている銃剣道を中学でもということは、戦前回帰というイメージだけでは無く、自衛官募集に際して、既に中学で親しんでいることでハードルを低くする事が目的なのか?それとも自衛官の再就職先を確保するためなのか?
いずれにしても、全てが戦後レジームから脱却して、戦前レジームへ回帰するという狂気が始まっているようです。