抜け穴は埋まらず(ブログ3592)
- 2024年06月02日
政治資金規正法改正の最終盤になって、やっと自民党が与党案として発表した改正の全貌は、国民を失望させるものでした。
①政治資金パーティー券の購入者の公開基準は、20万円超→10万円超→5万円超にと
コロコロ変わり、何とか公明・維新・国民・共産が主張する5万円超に落ち着きました。
しかし、企業・団体の経営者が、「何万円であっても購入者を社員や子会社に細分化す
るだけで、何も変わりませんし、私たちはこれまでと同じ額のパーティー券を購入しま
す。」と話しているように、しっかりと「抜け穴」です。
さらに、5万円超の規制がかかるのは、27年4月から、つまり3年後からということ
で、それまでは今のまま1件20万円超の購入で初めて購入者の公表が行われるという
「抜け穴」が続く事になります。
②外国人のパーティー券購入規制は今後の検討事項として、曖昧なまま。
③政策活動費の使途公開は、10年後とするとのこと。なぜ10年後なのかも理由は明ら
かにしていません。それも1件50万円以上の支出に対してでその使途には「政治活動
費」や「政策費」という大まかな項目と年月を公開するというものです。
10年後には、「記憶にございません」や「担当秘書が退職したため詳細は分からない」
と言うことでしょうか。政治資金の届け出が毎年なのに。説明は、政治活動上、表に出
せないものもある。」と訳の分からない、全く説得力の無いものです。
さらに政策活動費は、国民の税金である政党交付金が含まれています。内容を明らかに
するのは当然です。つまり、これも「抜け穴」がそのままとなります。
④企業・団体献金の禁止は、今後の検討事項で、これも「抜け穴」は塞がずに。
⑤議員本人と会計責任者に同等の責任を負わせる連座制も今後の検討事項で、相変わらず
「秘書がやった」という口実を残す「抜け穴」が継続。
⑥施行後3年を目処に見直しを行うと付則に明記しましたが、30年前の政治資金規制法
改正時にも5年後の見直しが盛り込まれていましたが、全く手つかずで、「時間が経て
ば国民は忘れる」とその当時も思っていたのでしょう。そして今度も国民が忘れること
を期待しているものと思います。馬鹿にされたものです。
「同じ穴のムジナ」と思われたくないと言っていた公明党が、この案を丸呑みしたのです。そして、いい格好をしていた維新も案の定簡単に「同じ穴のムジナ」に変身してしまいました。
そして、この案が衆参で過半数を超えて成立するのです。あれだけの事件を起こしながら、自民党は実益を十分確保するうわべだけの改正案で、乗り切る事になります。
私たちは、何も怒らない国民のままで良いのでしょうか。