拉致は解決するのか
- 2018年04月29日
北朝鮮の金正恩委員長が板門店の国境を越え、文在寅韓国大統領と南北首脳会談を行った様子がテレビ中継を通して世界中に流れました。
多くの国々は歴史的瞬間と評価をしましたし、日本に住む私たちの多くも対話による外交が世界平和に結びつく事を期待しました。
この対話にこれまで反対してきたのは誰有ろう安倍晋三その人です。
「対話のための対話は必要ない」と言い切り、「北朝鮮への圧力を更に強めるべきだ」とトランプを煽ってきました。
しかし、良識のあるリーダーは対話を重視し、現実にそれが実現して画期的な南北首脳会議が行われ、来月には米朝首脳会議も予定されています。
誰もが認識しているように安倍晋三(=日本)は蚊帳の外で、主役は韓国・北朝鮮・米国、脇役が中国・ロシアで舞台回しが行われています。
6ヶ国協議に入っていた日本は、間接的に説明を聞かなければ情報が得られないという体たらく、これが安倍外交の真の姿です。
拉致問題も、南北首脳会談で文在寅韓国大統領に「話題にしてくれないか」と頼み、予定されている米朝首脳会談でもトランプに頼む込むしかないという、他力本願そのものです。
これが対話を軽んじ圧力を重視してきた結果です。
今となっても、金正恩委員長に対し安倍晋三が対話を申し入れる事はしていません。
「今更どの面下げて」と思われていることを察知してか、文在寅大統領が南北首脳会談の折りに「日本も対話の用意がある」と労をとってくれました。
安倍晋三も文在寅大統領に「必要であれば助力をお願いする」と述べたようですが、最後は自分で解決しなければならないのは当然のことではないでしょうか。
拉致被害者の会の皆さんも、これまで「拉致の安倍」と言ってさんざん利用してきたのに1mmも前に進まない事にいらだち、最早、安倍晋三に頼んでもそれこそ埒があかないと判断したのか、安倍より数段影響力のある米国の閣僚やトランプに意を託し始めました。
拉致問題の解決には様々な過去の経緯が有り、多くのハードルが待ちかまえています。
この5年半を見ても、そのハードルを安倍晋三が越えることが出来るとは、なかなか思えません。
いや、残念ながら安倍の力では解決しないのではと思います。
拉致問題を頼まれているあのトランプでも、そろそろ阿倍の底の薄さに気がついているのではないでしょうか。