拙速すぎるライドシェアー(ブログ3432)
- 2023年12月22日
政府はライドシェアーを4月から一部解禁とすることを決めましたが、余りにも乱暴すぎるのではないでしょうか。
タクシー会社の運行管理下で一部解禁という事ですが、この間、肝心のタクシー業界と協議をしたという報道を見たことがありません。
一番影響のあるタクシー業界は、ライドシェアーの導入に非常に慎重です。いや、反対と言ってもいいと思います。
現在の人流、移動の要を担っているタクシー業界は、これまで様々な規制に翻弄されて来ましたし、今もその規制の中で自ら出来る努力を惜しみなく行ってきています。
そこに、ただただ単純に「京都の駅前にタクシー街の列が出来ている」、「観光地でも夜になるとタクシーがなかなか来ない」などといった現表面だけで、ライドシェアーを参入させれば解決すると考えるのは、まったく短絡的です。
なぜ、このような状態になっているのか、それを解決するためには何を行えば良いのか、これらの事を業界に聞いたこともなく進めるというのは、医療界や介護業界との協議も行わないで走り始めたマイナンバーの保険証紐付けと同じやり方と言わざるを得ません。
岸田(もう「氏」も付けたくない)は、自分で何をやっているのかさえも分からない愚鈍な宰相で、河野デジタル相や小泉進次郎の動き、その影にある菅氏の姿に怯え、何のポリシーもないままに、この政策を進めています。
こんなことでタクシー業界が、「はい、分かりました」と言うはずがありません。
交通手段の確保が困難な地域での「自家用車有償旅客運送」事業は、市町村やNPOが担っており、利用者は燃料費分を負担すれば良い地域でも、不足分は行政が補填して維持しているもので、そこにも参入させて運賃の目安を5割から8割に引き上げるということは、利用者負担が増える、もしくは行政負担が増える事に繋がります。ましてや今まで支えてきたNPOも廃止する方向へなってしまうことも懸念されます。
政府の行う事は、基本的な考え方を含めてタクシー業界や自家用車有償旅客運送を行っている自治体、現場を担っているNPOなどの関係機関と十分協議を進め、その理解の下で導入手法を検討する事ではないでしょうか。
無論のそ検討機関には、タクシーを含む関係機関の代表の参加が不可欠である事は言うまでも有りません。拙速な進め方は禍根を残すことになります。