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掴みの地方創生交付金

  • 2021年11月22日

 政府は21年度補正予算案で、全国知事会が増額を求めていた地方創生臨時交付金2兆円(都道府県分1兆円、市町村分1兆円)を遙かに上回る6兆円を増額する事で調整していることが報道で明らかになりました。

 原油価格の高騰などによる地域経済の疲弊も念頭に、手厚い支援が必要と考えたようです。地方自治体にとっては非常に有り難い事ですが、要望額の3倍とは大盤振る舞いも度が過ぎるのではといぶかってしまいます。

 地方創生臨時交付金は、その使途の裁量が自治体に与えられていることから、いわゆる何にでも使えるお金ということになります。

 今般のコレラ禍では、営業自粛や時短などに協力した店舗や人流の制限による売り上げ減の事業所などへ支援金や給付金などはこの交付金を利用して支給しましたが、その他にも感染予防のための機材購入などにも補助するなど、それぞれの自治体でその支給額や補助額は裁量の範囲で行われました。

 今回も、裁量は自由で、自治体がPCR検査や抗原検査を無料で実施したり、福祉灯油の原資の他、地方版GOTOやマイナカード取得者へポイントの上乗せなど何にでもご自由にというわけです。

 今日は、函館市役所に冬期間における交差点等の除排雪について要望に行きましたが、市の方から「予算の問題も」と話が出たことから、私から「地域創生臨時交付金が要望の3倍も交付されるので、予算を気にすることは無いのでは?」と問いかけると、市側から「本当に有り難い事で、是非、補正予算が通りますようにお力をお願いします。」と、逆に要請を受けてしまいました。

 さて、確かに疲弊した地域経済のための補正予算でしょうが、要請額の3倍とは政府は何を根拠に予算配分を行おうとしているのでしょうか。

 予算額は必要経費の積み上げの結果でなければいけませんが、その検討が十分に行われたとはとても思えず、掴みで計上したとしか思えません。

「何に使ってもいいよ」と、掴みで金を地方にばらまくことがまかり通っては、財政規律も何もあったものではありません。

 日本はそんなにお金が潤沢なのでしょうか。

 将来への借金は1,000兆円を優に超え、プライマリーバランスは言葉だけです。

 地方創生臨時交付金は要望通り2兆円とし、4兆円は、年末年始や本格的な冬を越すことも出来ない多くの困窮されている国民へ支給すべきでは無いでしょうか。

 この政府は、国民の置かれている現状を全く見ようとしていないということが、今回の補正予算でより明らかになったと思います。


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