摩周丸が「ふね遺産」に(ブログ3359)
- 2023年10月10日
日本船舶海洋工業会が選定する「ふね遺産」に青函連絡船の摩周丸が認定され、その認定プレートの掲額式が行われました。
最初に、東京海洋大学名誉教授である庄司邦昭氏から、摩周丸がふね遺産に認定された経過がが話され、来賓の挨拶の後、12時の汽笛吹鳴と供にプレートが掲額されました。
摩周丸は、洞爺丸事故の後に安全性をより高めた戦後の第2世代青函連絡船として建造され、連絡船としては大型の8,328総トンで、二重船殻構造を持ち、可変ピッチプロペラやサイドスラスターが採用された初期のフェリーとして、青函トンネルが開通した昭和63年(1988年)まで運行されました。
その後は、「青函連絡船保存会」がその保存運動を続け、多くの函館市民がその保存を望み、函館市が当時のJR青函船舶管理局と協議を行い、エンジン等の駆動部分を撤去して青函連絡船の桟橋に係留、函館市はその周辺を整備して「シーポートプラザ」として市民と観光客に親しまれ、摩周丸はほぼ就航当時のままその姿でシーポートプラザで保存・公開されています。そしてその摩周丸を管理運営しているのが、当時の「青函連絡船保存会」を発展的に改組したNPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」です。
今回の認定は、北海道の経済発展に欠くことが出来ない交通機関として活躍した、現存する青森県に係留されている姉妹船「八甲田丸」との同時認定となりました。
私も、母が青森県出身ということも有り幾度となく青函連絡船のお世話になりましたし、高校時代の修学旅行も「摩周丸」だった様な記憶があります。
今回の認定は、道内では紋別市のガリンコ号と、箱館丸に次ぐ3隻目の認定です。そしてそのうち2隻が函館市の所有する船です。その事を、「海の街はこだて」として誇りにしたいと思います。