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敗戦の日に

  • 2021年08月15日

 今年で76年を迎えた敗戦の日です。

 日本が先の戦争に突入したのは、1941年の真珠湾攻撃からでは無く、1931年の満州事変から始まった日中戦争からで、およそ15年にわたる長い戦争でした。

 今、その戦争経験があった方々はかなりのご高齢になっており、敗戦を迎えた1945年に生まれた方で76歳、満州事変が起きた年に生まれた方は90歳になります。

 この戦争で学徒隊となって15歳以上の男子は前線へ、17歳以上の女子は補助看護婦として戦場に駆り出されました。

 1941年米国を中心とした連合軍との戦争に招集された時に15歳だった少年は、生きていれば今は95歳となります。

 戦争の経験を話せる方々が限られてきました。後10年もすれば、戦争を語る方がいなくなると供に、戦争があったことまでが忘れ去られてしまいそうです。

 安倍前首相は、国会で共産党の志位委員長からポツダム宣言と原爆の関係を問われ、「ポツダム宣言(45年7月26日)を詳しく読んでいない。」と話し、ポツダム宣言を受諾せず、原爆投下まで招いてしまい、その結果を目の当たりにした後にポツダム宣言を受諾したという時系列さえ理解していませんでした。

 また、菅首相は、辺野古問題に関わる発言の中で、「私は戦後生まれなので、歴史の話をされても困る。」と、日本の歴史的事実の事は分からないとの認識を示したことは、日本の政治家として不誠実極まりないことではないでしょうか。

 このことは、さきの広島平和式典での原稿読み飛ばしや、長崎平和式典への出席遅刻に顕著に表れています。

 こんな方々は「原爆投下など76年も前のことで遠い昔のことだから、どうでも良いという感覚なのでしょう。

 したがって、世界86ヶ国が署名した、核兵器を非人道的な兵器とし、完全に廃絶することを目的とした核兵器禁止条約に対して、唯一の被爆国でありながら、オブザーバー参加も拒むという国際的にも理解されない行動を平然と行えるのではないでしょうか。

 さて、21年版の防衛白書には、初めて中国の脅威を前面に出して、岸防衛相は防衛費が西側諸国のGDP2%に比較しても低いとして防衛費の大幅増額を求めることを示唆しました。

 また、米国インド太平洋軍司令官が、中国による台湾侵攻が6年以内に起こる可能性に言及しましたし、予算の総元締めである麻生財務相も、自身の講演で中国が台湾に進行した場合には、安全保障関連法に基づく存立危機事態であると話し、集団的自衛権を行使できる事に言及しました。

 すなわち、台湾に有事があった場合には米国と供に「日本は参戦する」と話したことになります。

 この間、「敵基地攻撃能力」についても言及し、射程が千km程度にも及び、相手の攻撃が届かない遠方から発射できる地対艦SSM誘導弾の開発も閣議決定して、その道を開こうとしていますし、ヘリ搭載護衛艦である「かが」、「いづも」を改造して実質上の空母とし、垂直離着陸が可能なF35B戦闘機を艦載機とする計画も推進しています。

 しかし、日本経済における中国の位置は米国に次ぐ貿易国であり、外交・防衛・経済のバランスをどのように維持するのか、今の菅氏の姿を見ている国民は、この方に賢明な判断が出来るとは、思っていないでしょう。

 日本は、憲法の平和主義に基づく外交を追求し、近隣諸国と友好関係を築き上げるべきであり、その立場で極東アジアと米国のブリッジ役を果たすべきです。

 76回目の敗戦の日に、不戦の誓いを新たにしたいと思います。

 そして、私たちは、改めて日本を間違った方向へ導こうとする勢力に対峙していこうと決意します。

 また、現政権は、新たな国難であるコロナに全く無能で国民の健康と安全を守ることも出来ず、さらに西日本を中心に大雨による大規模災害が起きていますが、未だに激甚災害の指定も行っていませんし、これらの国難に際しても臨時国会を開こうともしていません。

 76年前のように国民が見捨てられている今、私たちは声を大きくして現政権に意義を唱えなければなりません。

 それが来月遅くても再来月に行われる衆議院総選挙です。

 この政権が続くことを誰も願ってはいないことを形にしようではありませんか。


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