教員の定数増を(ブログ3573)
- 2024年05月14日
教員の給与について、中教審が「教育職員の確保に向けた処遇改善と働き方改革の提言」をまとめました。
これまで教員は、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)」によって、その給与月額の4%を「教職調整額」として支給する代わりに、時間外手当は支給しない事としてきました。
つまり、4%の調整額を支払えば、正規の勤務時間をいくら超えても「働かせ放題」ということになります。
小・中学校の教員は、授業が始まる約1時間前には登校してその日の授業の準備を行い、授業が終了してからも様々な業務に追われ、下校する時間は午後8時から9時になるのは日常のこととなっています。
近年は、小学校での英語教育やタブレットを使用したIT教育、いじめや不登校対策の他に保護者などの様々な要望への対応の他、課外授業や関連する各種大会への引率など、際限の無い対応に心身ともに疲弊し、時間外労働は月に80時間以上になることも多くメンタルに陥り、休職する教員も過去最高となっています。
この間、教職員組合が「給特法」の見直しと働き方改革を求めてきましたが、文科省は全くこの問題に取り組んで来ませんでした。
一方、教員を志望する若い方々が、教員の労働環境の悪化から職業としての教員を選択しなくなってきています。
このような事が続くと、日本の教育に大きな影響をもたらす事になることから文科省が重い腰を上げて中教審に「教員の確保に向けた検討」を諮問し、今回の答申となりました。
しかし、答申内容は教員の働き方を抜本的に見直すことから目を背けて、単に調整額を10%にするという小手先の改革を柱に据えています。
教員の働き方を見直すには、増員する事が必須であることは誰の目からも明らかですが、文科省も含め各都道府県が教職員を増やすことに全くと言って良いほど消極的です。
日本社会は少子化によって地域の小・中学校は統廃合が進み、教職員の定数は少なくなっています。各都道府県は、少子化によって教職員定数を減少させるがけでは無く、質の高い教育を目標に少数学級や複数担任制等を導入し、一人の教員にかかる負担を軽減することに注力すべきです。言うまでも無く教育は国の根幹であり、教育こそが国を創り支えるものであることから、厚く予算を配分するのが政府の義務だと思います。