教育委員会への政治介入
- 2014年02月01日
自民党の小委員会では、教育委員会に対する首長の権限を拡大するための検討を行い、地方教育行政法の抜本改正を行うことで意見をまとめたようです。
昨年12月に、中教審が教育委員会改革案を答申した中には、教育長の任免や教育大綱などを作成する最終責任者を、教育委員長から首長に改めることが盛り込こまれ、自民党の小委員会でもこのことを追認、与党間の協議を経て3月に法案を提出するようです。
教育委員会の改革は、数々の「いじめ」や「体罰」などに対し、教育委員会がその機能を発揮できず自浄能力も欠如している等に端を発したと思われますが、最近では、日の丸・君が代、教科書選定などで、教育が必ずしも時の政権の思い通りにならないことが多くなってきたことに対し、安倍首相がこれまで進めてきた教育改革を強烈に推進し、行政の関与を一層強めることを狙ったものと考えます。
もそも戦前の教育勅語的な国家を中心とした教育から、個人を中心とした民主的な教育を推進するために、憲法と並ぶ教育基本法を制定したものですが、この教育基本法についても第1次安倍内閣では改正を行い、愛国心や道徳教育などを前面に出してきた経緯があります。
今度は、教育長の任免などを首長が行うことが出来るなど、政治の恣意的な介入を強めることにより教育委員会を形骸化させ、さらに、教科書選定とりわけ近代日本史などに安倍首相の思いを盛り込ませる、という意図がかなり透けて見えてきます。
教育は「不当普遍」であるべきです。
この問題には公明党も「政治的中立性を保てるのか疑問を禁じ得ない」と、反対の立場をとっていますので、公明党の今後の態度にも注目したいと思います。