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敵基地攻撃能力の保有

  • 2022年04月14日

 自民党の「安全保障調査会」が敵基地攻撃能力の保有を政府に求める意見で一致したという記事が掲載されました。

 肝心の政府は、岸田総理が年末までに「国家安全保障戦略」、「防衛計画大綱」、「中期防衛力整備計画」を改定する考えを示し、「敵基地攻撃能力」の保有の是非も判断すると話しています。

 自民党が提言し、岸田総理が検討する敵基地攻撃能力とは、攻撃対象を相手国のミサイル発射基地に限らず、指揮命令機能をも対象とする事が含まれます。

 まず、相手国がミサイル攻撃を行う以前にその兆しを示した段階で当該基地への攻撃を行う、ということは、こちらから先に攻撃を仕掛けることであり、専守防衛から完全に逸脱する行為となります。

 さらに、指揮命令機能も対象とするということは、相手国の中枢への攻撃となりますし、中枢機関とは日本で言えば国会を含む永田町への攻撃、行政機関の中枢が集積する霞ヶ関を中心とする首都への攻撃となります。

 相手国に対してここまで行えば、国是である専守防衛では無く、完全に宣戦布告の先制攻撃となってしまいます。

 ウクライナへのロシアの侵略を口実に、敵基地攻撃能力の保有を当然の自衛権とばかり拡大解釈し、短絡的に結論を出すことが日本の国益になるのか。

 仮に、敵基地攻撃能力の保有の論理が正当化された場合、日本はロシアと同様に平然と相手国に攻撃を仕掛け、「向こうが攻撃をしようとしたから、領土防衛のため他に手段が無いために戦争を仕掛けた。」とでも言うのでしょうか。

 敵基地攻撃能力の保有とは、日本政府の外交能力の劣化を内外に明らかにすると同時に、憲法9条が禁じる戦争を自ら仕掛ける危険な思想だと思います。


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