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文官統制

  • 2015年03月07日

 政府は、防止省設置法案を改正し、文官統制を見直す方向のようです。

 文官(文民)統制・シビリアンコントロールは、政治が軍事に優先することで、軍部の暴走を防ぐ、いわゆる第二次世界大戦の教訓の中から生まれた自制のためのシステムで、背広組(事務系)が制服組(自衛官)より優位にあり、文官(完了)が軍部(自衛隊)をコントロールするものですが、改正案では、これを同等とする内容であり、これも安倍総理の集団的自衛権行使の布石の一つでしょう。

 この改正の推進役である中谷防衛相は自衛官出身ですし、この方向は自衛隊制服組の悲願だったと思います。

 戦後、文民統制の観点から旧軍部・自衛隊出身の国会議員で大臣になれなかったのは、海軍大将の経験のある野村吉三郎氏がおり、憲法上は、憲法第66条2項で「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」と規定があります。

 しかし、この規定は、現職の自衛官は文民ではないが、退官した自衛官は文民にあたるというもので、中谷防衛相は自衛隊出身ですが、今は文民と言うことになります。

 規定はその通りですが、中谷防衛相はこれまでも自衛隊と密接な関係を維持してきていましたし、PKOヒゲの隊長・佐藤正久参議院議員も同様であります。

 悪いことに、民主党政権下の森本敏氏も自衛官出身でした。

 しかし、制服組と背広組が同等の立場と言うことになり、ましてや大臣が自衛隊出身では、背広組の機能が弱体化し、文官(文民)統制の機能が低下してしまうのは明らかではないでしょうか。


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