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文民統制も危うい

  • 2013年12月31日

11月27日、共同通信の配信で陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が、文民統制を逸脱した海外での諜報活動をしていたことを報道しました。

陸上幕僚長や防衛庁情報本部長などが、首相や防衛庁(当時)長官らに知らせず、冷戦時代から独断でロシアや中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官による諜報活動をさせてきたというもので、新党大地の鈴木貴子衆議院議員が「安倍内閣は共同通信の報道は虚偽のものであったと認識しているか」「防衛省として今後『別班』に関する調査を行う考えはあるか」などと、特定秘密保護法が成立すれば、文民統制を外れた違法行為が野放しになる恐れがあることを危惧して質問趣意書を提出しましたが、安倍政権は白々しく「別班についてはこれまで自衛隊に存在したことはなく、現在も存在してない。」との答弁を閣議決定し、小野寺防衛大臣は陸上幕僚長から口頭の報告を受け、「調査を行う考えはない。」としています。

今日の道新では、この別班を特殊部隊「特殊作戦群」(特戦群)と一体運用する構想が、08年頃から陸上自衛隊内部で検討されていたことが30日に分かったと報じています。

共同通信の取材に対し、複数の陸幕長経験者が認めたそうで、自衛隊の海外展開を念頭に、特殊活動と情報活動を連携させ、オサマ・ビンラディン容疑者を急襲し、殺害した米海軍の特殊部隊「SEALS(シールズ)」を目標としているようです。

すでに、別班と特戦群の幹部人事をリンクさせているなど、具体的な検討や海外展開の研究も初めているとのこと。

まさしく映画のようなことが、現実化する方向に進んでいます。

米国では、特殊部隊の秘密工作は大統領の決裁を経て、上下両院の情報特別委員会に報告する義務がありますが、先程のように安倍内閣が知っていてシラを切っていたのか、全く知らないうちに文民統制を逸脱した行為が進められていたのか、国会も蚊帳の外にあったこの問題を明らかにすることなく、安倍内閣はフタをしようとしています。

これが、「特定秘密保護」なのかもしれません。

国家安全保障会議、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使、米国と同じことが出来る国、日本。どこの国に対しても武力行使が出来る国、日本。

じわじわとその方向への歩みを加速させつつあります。

今年のブログは、今日で最後です。

今年1年、ご支援いただいた皆様には心から感謝申し上げます。

ブログも毎日書かなければと思いつつ、ついつい間をおいてしまうこともあり、反省しています。

来年は、もう少し努力をして、なるべく空きが無いようにしたいと思います。

なお、HPの担当社を変更しましたところ、12月28日から1月5日まで正月休暇とのことですから、活動報告を含めブログもこの間のものは1月6日以降に掲載されることになります。お詫びを申し上げ、ご理解をいただきたいと思います。


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