文献調査から3年(ブログ3407)
- 2023年11月27日
高レベル放射性廃棄物の最終処分場に手を挙げた寿都町と神恵内村への文献調査は、2年間の調査の後、その報告を行うことになっていましたが、残念ながら3年を過ぎてもその報告が明らかになっておりません。
長崎県の対馬市が議会の要請で手を挙げそうになりましたが、比田勝市長が調査を受け入れ無いことを表明しました。
日田勝市長はこの間、NUMOに対し21項目の風評被害や事故の対応などについて質問を試みましたが、NUMOからは最大20億円の交付金以外に事故に対しての具体的な対策も明らかに出来ませんでした。
これでは、首長として住民に説明が出来るものではありません。
逆に言うと、NUMOさえも答えを持ち合わせていないと言うことになります。
これまでもそうであったように、政府が根本の対処方針を持たずに最後は過疎地に押しつけてしまおうということが見え見えとなっています。このままでは、これから以降も手を挙げる自治体が出てこないのは明らかで、その結果、寿都町と神恵内村の二者択一と言うことになってしまうのかとても不安です。
政府は、手上げ方式から選定方式に変えたようですが、地震が多発する国内に適地があるとは思えず、ターゲットになった自治体も誘致には至らないでしょう。
「今の段階では」という注釈が付きつつも鈴木知事は「概要調査」には反対の立場です。
様々な状況下にあって、NUMOは文献調査の報告を出せないままずるずると時間を稼ぐことになってしまうのでは無いかと思います。
文献調査で寿都町や神恵内村が候補地になれるとNUMOが判断しても、首長の反対で概要調査には進めない。進めなければ最終処分場への流れは断ち切れてしまう。そうなれば、政府の原発推進方針は瓦解してしまう事になります。
賢い方々が集まった経産省とNUMOの官僚達の事ですから、国民に目を向けずに起死回生の案を、賢くない政権に具申することも考えられなくはありません。
いずれにしても、年度内に何らかの動きがあるものと思います。