新たな補完勢力の誕生?
- 2017年08月09日
都民ファーストの会が政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げ、新党を結成し、そして、衆議院解散に伴い政治塾「輝照熟(きしょうじゅく)」から塾生を立候補させるとのこと。
以前に、同じようなことが有りました。
大阪府知事の橋下 徹氏が、湾岸地区WTC(大阪ワールドトレードセンタービル)の破綻をきっかけに、このビルを大阪府が買い取り府庁舎を移転して湾岸活性化を目論みましたが府議会が否決、大阪府知事選で橋下氏を擁立した松井一郎氏を中心とした府議によって「維新の会」が結成され、「大阪都構想」を打ち出しその実現を目指し、政治団体として「大阪維新の会」を創設、橋下知事が代表に就任しました。
その後、統一自治体選挙で大阪府議選、大阪市議選で勝利を収め、国政に進出する全国政党として「日本維新の会」を設立、しかし、政策の一丁目一番地である大阪都構想は住民投票で否決され廃案となりました。
国政では、みんなの党や旧民主党、結いの党などとの合従連衡が有りましたが、今は衆議院議員15名、参議院議員11名の政党となり、自民党の補完政党として安倍政権べったりとなっています。
翻って、「都民ファーストの会」です。
桝添前都知事の放漫都政が明るみに出たことがきっかけとなり桝添前知事が辞任、女性国会議員として初めて小池百合子氏が都知事選に立候補、都議会に巣くっていた自民党都連を激しく避難し対立、当選後は、築地市場の移転先である豊洲新市場の土壌汚染問題をきっかけに改めての土壌調査を行うと共に、議会での過半数確保のために自ら代表となって「都民ファーストの会」を結成、政治塾「希望の塾」の塾生を擁立して17年の都議選に挑み、公明党も支持に回り、小池支持はが都議会過半数を占めました。
そして今、全国政党として「日本ファーストの会」を設立「自民でも民進でもない民意の受け皿となる」としています。
この二つの政党はその生い立ちが非常に酷似していませんか?
うっかりすると自民党と対峙するかのように錯覚を染ますが、小池氏は長い間自民党の党員として環境大臣、沖縄・北方対策担当大臣、防衛大臣などを歴任し、党内では広報本部長、総務会長を経験している生粋の保守政治家であり、その主張は「日本の核武装については国際情勢によって検討すべきである」、「沖縄のメディアの言っていることは県民を代表していない」、「水俣病被害者に対して補償すべしという最高裁判決を無視」などが有名です。
また、日本維新の会は設立いたしましたが、何が党是であり、何を求める政党なのか未だに国民に明らかにしておらず、単に受け皿となると言うだけです。
そして、この新しい党に民進党を離党した「細野豪志氏」が合流するとのこと。
生粋の保守系知事の小池氏と保守系を自認する細野氏、結局、「日本維新の会」同様に自民党の補完勢力となりうる要素を内包しているのではないかと思います。