新幹線札幌延伸に思うこと(2)
- 2008年12月19日
つい2、3日前までは、札幌新幹線が次年度から着工するなどと夢にも思いませんでしたから、しばらくは新函館駅について、始発・終着駅としての利便性をどのように活用するかということを考えていました。
未来大学の長野 章教授とそのブレーンによる「新幹線の物流利用」への提案は、まさに新函館駅が頭端駅であることに着目したもので、函館や近隣の付加価値の高い活生鮮水産物(高級水産物)を新幹線で首都圏に運び込もうというもので、新幹線の一両を改造し、ウニやアワビ、戸井まぐろ、マコガレイ、生け簀イカ、北寄、帆立等々、航空運賃よりも安く、定時・定速で天候にも左右されず、フェリーの心配も無く(現在の運行便数は平成12年度の45%)、トラック輸送より早く、温暖化ガス排出量も飛躍的に少なくて済むというもので、既に、近鉄が鮮魚列車として大阪へ輸送しています。
以前にも、ブログでお伝えしたことがあるかも知れませんが、今回は具体的な試算が示されました。
試算では、新幹線一日15便・8両編成として、その内の朝1便、晩1便の内、1両を改装して利用すると、20t/日として、輸送費は10kg/600円、地球温暖化排出ガスはトラックの約8分の1、輸送総量6,000t/年間として直接波及効果は約64億円、産業波及効果は約120億円、新規雇用者数120人となっており、このことは、朝日新聞や水産経済新聞にも掲載されたとのことです。
しかし、新幹線が札幌まで延伸されれば、新函館駅は通過駅となり、ほんの2~3分の停車時間では、荷物を運び込むことはできません。
逆にこの案は、札幌で可能となり、道央や道東の高級農作物・酪農製品などに有利となるわけです。
札幌延伸がこんなに早く決定したことを素直に喜べない理由は、こんな所に有るのかも知れません。