施政方針演説
- 2022年01月18日
通常国会が開会して岸田氏の施政方針演説が行われました。
総理に就任して初めての施政方針そして新年度予算の提案ですが、一体何をしたいのか、国民に何を訴えたいのかが見えてきません。
「新しい資本主義」とはどのような政策なのか、全く説明になっていません。
市場経済を重視した新自由主義の弊害について述べましたが、それはご自身が政調会長として進めてきたことでは無いのか、過剰なほど進めてきた規制緩和とそれを担保するように行われた労働法制改定、結果として労働者は不安定な雇用環境に置かれ、低賃金の非正規に置き換わり、人材派遣業の頂点で巨万の富を手に入れている竹中平蔵ら大企業のオーナー達が薄ら笑いを浮かべています。
そして、岸田氏もこれまでの経済対策を継承するのでしょう。
「分配戦略」として「『人への投資』の抜本強化」を述べましたが、最低賃金の抜本的引き揚げの具体策には触れず、看護師や介護職への9,000円の所得増は微々たるもので、しかも、必ず9,000円の所得増になるかは事業者に依るところもあるのではないか思います。
賃上げにシフトした企業への法人税の優遇税制は、日本の企業の9割以上を占める中小企業の多くは赤字で法人税の対象とはなっておらず、言うだけの効果はほとんど無いでしょう。
総裁選で掲げ、ほぼ富裕層を対象とした「金融所得課税」の「き」の字も無く、台湾の半導体企業と手を握る民間企業には4,000億円の補助金を支出するなど、特定の1民間企業への資金優遇は目に余るものとなっています。
経済対策だけみても、何も期待できるものは無く言葉だけがむなしく響くだけです。