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既に緊急事態では

  • 2020年11月26日

 日本医師会の中川会長が、既に医療崩壊に入っているとの認識を示し、厚労省に助言する専門家組織「アドバイサリー・ボード」も24日に「このままの状況が続けば、助けられる命も助けられなくなる。」と危機感を表しています。

 政府のコロナウィルス感染症対策専門家分科会の尾見会長も、政権に遠慮し言葉を選びつつも同様の見解を伝えています。

 医療関係者のほとんどが、これまでの経験を含めて医療が維持できなくなることを危惧しているにも関わらず、政権はこの危機感を共有していません。

 未だに病床には余裕があるとの認識のようですが果たしてそうなのでしょうか、東京都などでは、重症者病床利用率にICU利用分が含まれていないこともあって、実態が不明確になっていますし、さらに、最近テレビなどでも医療関係者が出演し、病床数は満床になっていなくてもと医療スタッフの不足によって受け入れ出来ないということが理解されていないと訴えています。

 重症者が一気に増えれば当然のことながら病床も医療スタッフも間に合わなくなりますし、人工呼吸器やECMOなどの医療機材や操作できる人材の確保も心配になります。

 これも経験した事ですが、コロナ以外の傷病に対する治療などが後回しにされ、重症化する事も懸念されます。

 とりわけICUなどが満床になれば、脳卒中や心筋梗塞など緊急を要する疾患の受け入れが難しくなってしまいます。

 救急当番医療機関などがコロナ病床のため急患の受け入れが不能となれば、他の救急指定病院に負担がかかることにも繋がり、地域医療全体の問題に波及してきます。

 政府や知事らと医療関係者の間の危機感に温度差があれば、まさしく医療は崩壊してしまいます。

 北海道も日々患者数が増加していますが、鈴木知事に以前のようなリーダーシップが見えません。

 日に日に増える感染者に対する、軽症者用宿泊療養施設の用意でさえ判断が後手に回っています。

 感染が落ち着いた6月7月の時期には、既に秋冬の感染増が想定されていましたが、知事はじめ行政の責任者に危機感が欠けていたのでしょうか、今、慌てて準備していたのでは市民の批判は免れませんし、そのしわ寄せが市民と医療関係者が被ることになります。

 とにかく、打てる対策をちゅうちょ無く行う事と、この先の厳寒期に向けての準備を十分に行う事が急務です。


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